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2016年10月18日 (火)

Bi, J. (2001) The double discrimination methods. Food Quality and Preference, 12, 507-513.
 仕事の都合で大急ぎでめくった論文。官能検査での識別試験でいうところのdouble testについて、その数理的側面の解説。double testってなんて訳せばいいんだろう? えーと、同じ被験者に同じ刺激で2試行やってもらう奴ね。

 いわく。doubleテストの分析にはふたつの路線がある。2回とも正解したことをもって正解とみなし二項モデルを適用する路線と、2回の反復測定と考えてベータ二項モデルとか一般化線形モデルとかを適用する路線。前者は、正解の確率は被験者間で等しく、反応は互いに独立だと想定していることになる。この2つの路線のちがいは、識別テストについての哲学の違いである。本論文は前者の路線。
 [←あー、なるほど。わたくし、かねがね、三点識別テストを2回繰り返したデータを被験者単位に潰して分析するのってダサすぎる、生データで反復測定モデル使えよ... 官能検査ってこれだからもう... といらだっていたんだけど、良し悪しじゃなくて哲学のちがいだよといわれれば、ま、そうかもね]

 ... で、2選択肢強制選択、3選択肢強制選択、3点識別、duo-trioの、それぞれsingleとdoubleについて、検定力の求め方(二項分布を正規近似する考え方と、サーストンの$d'$に基づく考え方)、doubleとsingleのあいだでの正解率の変換方法、$d'$の分散の推定の仕方について簡潔に紹介している。簡潔すぎて式の導出を追えてないんだけど、必要になったら読み直そう。

 そもそもサーストンのモデルについてすっかり忘れてしまっている。やれやれ困ったものだ... と思ったけど、考えてみたら習ったのはいまは亡きM先生の学部の講義、もはや二十五年以上も前だ。しかも講義中私は常に熟睡していた。忘れていても仕方がない。往時茫々としてなんとやらだ。

論文:データ解析(2015-) - 読了:Bi (2001) double識別試験の統計学的諸側面

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