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2018年4月30日 (月)

 マーケティング・リサーチにおいては、この製品・サービスの価格がこうだったら売上はこうなるでしょうというようなことを調べることがあるんだけど、その際の手法のひとつにBPTO (Brand Price Trade-off)というのがある。
 ううむ、懐かしいなあ。前の勤務先に拾ってもらった際、トシを食ってはいるものの業界の常識を全く持たない私に、上司様が懇切丁寧に教えて下さったのであった。さぞや面倒だっただろう。いま私があの立場になったとして、あのように親切には振る舞えそうにない。

 要するに、(1)調査対象者にいくつかの製品を提示しひとつ選ばせる、(2)選ばれた製品の値段をちょっぴり上げ、再び製品をひとつ選ばせる、(3)これを繰り返す... というのが基本アイデアである。値段と選択率の関係がわかります、すなわち価格-需要関数が手に入ります、という理屈ですね。わっかりやすい。
 BPTOというのはかなり古めかしい手法であって、おそらく現在ではあまり使われていないだろうと思うんだけど、その細部についてはたまに議論になる。一度きちんと調べてみたいと思った次第である。

書籍
 BPTOについて解説している書籍はないだろうか。 
 Google Booksのお力により、少なくとも以下の書籍で言及されていることがわかった。

論文
 論文における言及を探すのはなかなか難しい。BPTOというのは地を這うリサーチャーののためのごくごく実務的な手法であって、マーケティングの学術誌で扱われるようなかっこよい話題ではないのである。
 90年代以降、以下の論文で言及されているのをみつけたのだが、すべて未入手。

カンファレンス・ペーパー
 この種の聴取・分析手法を扱うカンファレンスのなかで最も有名なのは、AMA(American Marketing Association)のART Forumだと思うのだけど、残念ながらProceedingsを入手する方法がわからない。あれ、ほんとに納得いかないんですよね。いったいどうなっているんだろうか。
 コンジョイント分析のソフトウェアを発売しているSawtooth Softwareという会社は昔からユーザ・カンファレンスを開いており、Proceedingsを公開している。検索してみたところ、BPTOに言及している発表が少なくとも5件みつかった。いずれも調査実務家による発表である。

Web
 Webを検索すると、BPTOについて解説しているものがたくさんみつかる。BPTOという名前を挙げているだけならもっとたくさんみつかる(日本だとインテージさんとか)。マーケティング・リサーチにおいては一般的な手法名であることがわかる。
 検索上位に出現するページを片っ端から眺めてみたのだが、当然ながら解説の中身は玉石混淆である。

歴史
 何人かの人が、BPTOは1970年代末に開発されたと述べている。正確に言うと、誰がいつ開発したのだろうか。
 上に挙げた書籍やWebページを手掛かりに、古い文献を探していくと...

 というわけで、おそらくこういうことなんじゃないかと思う。

なお、Research InternationalとはかのUnileverに源流を持つ由緒正しき調査会社で、現在はWPP傘下のKantor Group。Rich Johnsonが辞めたあとのMarket FactsはSynovateとなり、その極東オフィスは、トシばっか食ってて使えない男、その親切な上司、などの多様な人材を抱えていた。2011年にIpsosに買収された。

BPTOの手続き
 実をいうと、このメモを取り始めた理由は、人々がBPTOと呼んでいる手法の具体的な手続きが、実は人によってかなりずれているのではないか、一度きちんと比較して異同を整理しておいたほうがと良いのではないか... と思ったからである。しかし、あれこれ調べているうちに、だんだんどうでもいいような気がしてきた。
 誰かがBPTOを「貧乏人向けコンジョイント分析」と呼んでいたけど、正しい批評である。ある製品の価格だけが目の前でどんどん値上げされていくというのはずいぶん奇妙な課題であって、それよか選択型コンジョイント分析をやったほうがはるかに気が利いている。いまさらBPTOの正確な手続きだなんて、いンだよこまけぇことは! という気分になってきた。すいません、疲れているんです。
 というわけで、続きはまた気の向いた時に...

雑記 - 覚え書き:BPTO(Brand Price Trade-off)とはどんな手法か (途中で投げ出しましたけど)

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