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2019年7月 9日 (火)
かなり前に図書館で借りて読んだ本。
JODK消えたコールサイン
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津川 泉 / 白水社 / 1993-07
金文輯(キム・ムンジップ)という人のエピソードが興味深かった。
1909年に大邱に生まれ、早稲田中学、旧姓松山高を経て横光利一に師事、1935年に朝鮮に帰国。1938年に日本語の小説「ありらん峠」を書く(これは戦後に再刊された模様で、検索するとあちこちで古書を売っている)。日本の内鮮一体化政策を支持する批評家として、創氏改名に真っ先に名乗りを上げるが、改名した名前は「大江龍無酒之助」という実に人を食ったものであった。
で、当時の新聞によれば、数々の破廉恥行為を働いた廉で検挙(別に濡れ衣というわけでもないらしい)。執行猶予となって日本に渡り、福岡日々新聞社に入社。1960年の時点で「財団法人国際文化学会」の理事長として、会報誌に「朝鮮!それは[...]朝鮮民主主義人民共和国の旗の下においてのみ自らを育成しうる単一民族国家である」という一文を寄せている由 (おそらく これのことだろう)。この人もまた、歴史に翻弄された人だったのだろう...
ノンフィクション(2018-) - 読了:「JODK 消えたコールサイン」