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2012年12月25日 (火)

Bookcover 欲望を生み出す社会―アメリカ大量消費社会の成立史 [a]
スーザン・ストラッサー / 東洋経済新報社 / 2011-11-18
19世紀末から20世紀初頭にかけてのアメリカ消費社会の勃興期を,豊富な事例で描いた本。セグメンテーションにターゲティングにポジショニング,サンプリングやらクーポンやらプロモーション効果測定やら,近代的マーケティングの主な概念はすでにこの時期に出現していたのだそうである。へえー。

マーケティングに対する科学的な態度が必要であるという[20世紀初頭アメリカでの]主張は,ビジネスや社会生活の他の知的な流行と密接に関連していた。当時は,課業の設定や標準の設定を含む作業へのアプローチである「科学的管理法」を実践し唱導する能率専門家の全盛時代であった。効率という概念は,社会一般に関する考え方を家政や教育といった利益とはほとんど関係のない分野に関する規範的な記述にも浸透した。[...] 科学的マーケティングに関する議論は,人間性に関するより大きな疑問を反映していた。アダム・スミスに追従した経済学者たちは,個人が私利に従って合理的に活動する [...] 非人格的な自立的意思決定の王国としての『市場』の存在を信じるようになっていた。この『経済人』の見解に一致する人間性の概念は,十九世紀末の何人かの広告実務家の考え方の中に見られた。しかし,他の実務は購買者を非合理的なものとみなすようになりつつあった。この見解は1910年までには支配的となり,応用心理学の用語や手法が採用されるようになった。

そうか,この時期に近代マーケティングの黎明期があったとするならば,それはテイラー・システムの兄弟分のような科学主義でありつつ,合理的経済人モデルの否定でもあったわけだ。面白いなあ。

細かい話だけど... 6章に,パンケーキ・ミックスのトレードマーク「ジャマイマおばさん」として有名になったナンシー・グリーンという女性の話が出てくる。奴隷時代の思い出を語ったり歌ったりしながらパンケーキを焼いて見せ,大変な人気を博したらしい。で,「彼女は,お手伝いを辞め,シカゴで判事となり一生を終えた」と書いてあるんだけど...判事?! 驚いてwebで検索してみたけど,シカゴで交通事故で亡くなるまでジャマイマおばさん役を続けた,とある。判事ってどこから出てきたんだろう。

Bookcover 中国人民解放軍の実力 (ちくま新書) [a]
塩沢 英一 / 筑摩書房 / 2012-11

Bookcover 中国の市民社会――動き出す草の根NGO (岩波新書) [a]
李 妍${69D8} / 岩波書店 / 2012-11-21

Bookcover 建設業者 [a]
/ エクスナレッジ / 2012-10-01
建築業界の職人さんインタビュー集。とても魅力的で,面白い本であった。

ノンフィクション(2011-) - 読了:「欲望を生み出す社会」「中国人民解放軍の実力」「中国の市民社会」「建設業者」

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