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2007年5月 4日 (金)
義務教育を問いなおす (ちくま新書 (543))
[a]
藤田 英典 / 筑摩書房 / 2005-07-06
新書とは思えない分厚い内容で,読み終えるのに時間がかかり,ちょっと適当に読み飛ばしてしまった。残念だが,仕方ない。
日本の義務教育は総体としてはうまくいっているのに,政治と社会がおかしな改革を叫ぶせいで危機に陥っている,という主旨。ゆとり教育の初期理念には賛同するが,運用に対して批判的。学校選択制にはとても批判的。学力調査の結果についてデータに基づいた議論をしているところが面白かった(きちんと読めてないけど)。
心理学からは足を洗ったし,教育系企業も辞めちゃったわけで,こういう本を読んでもいまいち真剣になれないのは道理なのである。しかし,それじゃマーケティングナントカだの消費ナントカだのという本を読む気になるかというと,それはそれでいまいち関心が持てない。あまり大きな声ではいえないが,「A社の製品が売れなくたって,かわりにB社の製品が売れるんだから,大勢に影響ないじゃん」,なんて,ついつい白けた気分になってしまう。困ったものだ。
高給&激務で知られた外資系有名コンサルで10年ほどバリバリ働き出世した末,すっぱり辞めて農家をはじめた人の話を,前にどこかで読んだか聞いたかしたことがある。格好いいねえ,というのが大方の反応だと思うけれども,個人的には,それはちょっと可哀想な話なんじゃないかなあと思った。せっかく築いた経験と蓄積を捨ててしまうだなんて,捨ててしまいたくなるような十年だなんて,いくら給料が良くたって,切ないよなあ,と思ったのだ。いま思うに,やっぱり俺が子供っぽいんだと思う。高給であろうがなかろうが,仕事というものは,本来つまらないもの,もともと切ないものなのであろう。
心理・教育 - 読了:05/04まで (P)