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2007年8月 2日 (木)
経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)
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大竹 文雄 / 中央公論新社 / 2005-12
著者はただいま大活躍中の経済学者。格差社会をめぐる論争では,どっちかといえば政府寄りの,いわば悪役を引き受けている学者だと思う。
この本はなんだか品のないタイトルなので,いまいち手が出なかったのだが(前著も読みかけだし),評判になっているようなので読んでみた。
いやあ,これは面白い本だった。著者のいう「センス」とは,観察に基づく因果推論のことなのである。経済学の入門書としてどうなのかは判断できないが,これは調査データの解釈についての素晴らしい教科書だと思った。
各章が短くてとっつきやすいし,親しみやすい事例が選び抜かれているし,人に勧めたくなるタイプの本である。なるほど,これは売れるわけだ。
ノンフィクション(-2010) - 読了:08/02まで (NF)