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2007年9月12日 (水)
夷狄を待ちながら (集英社文庫)
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J.M. クッツェー / 集英社 / 2003-12
「ノーベル文学賞作品」という触れ込みを聞くと,さぞや晦渋な小説だろうと腰が引けてしまうが,この本は面白かった。架空の帝国の,辺境の役人の話。
四つの雨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ウ 21-1)
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ロバート・ウォード / 早川書房 / 2007-08-25
人生に敗れた貧乏カウンセラーが,まさかの恋愛によって突如意気盛んになり,一攫千金を狙ったらこれがうまくいかなくて。。。という,悲哀あふれる犯罪小説。著者はTVドラマ史上に残る名作「ヒル・ストリート・ブルース」の脚本家だったのだそうで,なるほど,飽きさせないわけだなあ,と感心した。
しかし,人生の夢敗れたインテリおやじの話だというだけで,"情けない男小説"の最高傑作「長い雨」と比較してしまって,ちょっと点が辛くなってしまう。こっちのほうが巧い小説ではあるんだけど。。。うーん。
主人公はかつては社会変革を夢見る闘士で。。。というあたり,なんだか陳腐な感じがしてしまうのだが,それは俺が勝手に全共闘世代のイメージを重ねているからで,もしかするとあっちの68年世代のイメージは日本のそれとは違うのかも。よくわからん。
フィクション - 読了:09/12まで (F)