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2008年1月22日 (火)
社会学への招待
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ピーター・L. バーガー / 新思索社 / 2007-11
ここ数ヶ月,ずっと持ち歩いていた本。著者は俺でさえ名前を知っているくらいだから,非常に有名な社会学者だと思う。
題名に反して,これは社会学入門というよりも,「私が思うに社会学とはこのような学問だ(そうあるべきだ)」という本であった。説明のために引き合いに出されるちょっとした事例や,本筋とはあまり関係のない余談が分量の大半を占めているので,内容は決して厚くない。ところが,その事例や余談があまりに面白く,話の本筋を見失ってしまいそうになる。この大先生ときたら,大変な皮肉屋で,極論が大好きで,かなりヒトが悪いのである。
しかし,その皮肉と極論の背後には,ほとんどナイーブとさえいえるほどの,学問への深い信頼があるように思う。この先生実はショッテルナア,と可笑しく思いながらも,ちょっぴり胸打たれてしまった箇所がいくつかあった。もっともこういう感想は,俺が幸いにして社会学とはあまり縁がないからであって,職業としての社会学に従事している人からみたら,この本はあまりにシニカルに過ぎ,あまりに高い理想を掲げすぎる,敬して遠ざけたいタイプの名著なのかもしれない。
通勤電車で細切れに開いているので,落ち着いて読めなかったのが残念だ。ストレス溜まるなあ。
反米大陸―中南米がアメリカにつきつけるNO! (集英社新書 420D)
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伊藤 千尋 / 集英社 / 2007-12-14
全国紙の偉い人による,アメリカ帝国主義はこんなにもひどいことをしてきた,中南米の人々はいまや立ち上がったぞ,云々という本。門外漢の俺が偉そうなことを書くのもおかしいんだけど,どうも浅薄な感じがする内容であった。
「キューバについて一般のアメリカ人や日本人が知っている情報の大半が,アメリカのホワイトハウス発表や,アメリカのテレビの偏った報道による悪意に満ちたものだ。キューバを訪れた日本人の多くは,これまで聞いていた情報と,自分の目で見た現実の違いの大きさに驚いている」なあんてね。キューバに行ったことがないのでわからないのだが,「日本人の多く」って誰だ。こういう文章を見ると,かつての「北ベトナムの人々は貧しいけれど,子どもたちの瞳は輝いていた」式の報道を思い出してしまう。オピニオン色の強い文章というのも,それはそれでなかなか難しいものらしい。
アイデアのつくり方
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ジェームス W.ヤング / CCCメディアハウス / 1988-04-08
大昔の広告マンによる,とても短い,ひどく有名な本。幅広い情報収集が大事だとか,incubationが大事だとか。ふうん。。。読んでも特に人生が変わったような気がしないのは,この本の現代風の焼き直しがすでに巷にあふれているからだろうか,それとも俺の心が汚れているからか。
合理的とはどういうことか (講談社選書メチエ)
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岡部 勉 / 講談社 / 2007-05-11
残念ながら,この本は内容がさっぱり頭に入らなかった。文章そのものは平易なのだが,なぜこんな問題について考えなければならないのかがわからない,というか,話の枠組みにうまく入っていけない,というか。。。あっちこっちに登場する進化論的な説明も,あまりに思弁的に感じられて,ちょっとついていけない。残念だが,今回は縁がなかったと思ってあきらめよう。
ノンフィクション(-2010) - 読了:01/22まで (NF)