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2008年5月 4日 (日)
エセー〈1〉人間とはなにか (中公クラシックス)
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モンテーニュ / 中央公論新社 / 2002-09
「また高潔で好運に恵まれた死もいろいろある。わたしは,ある人に死が訪れて,その成長の花の盛りに,目覚ましい進歩を示して進んでいくその糸筋を断ち切ってしまったのを見た。その最期は華麗とも言えるものであり,彼の野心と勇気にみちたかずかずの意図も,その中断に及ぶほどの価値の高さを持たなかったのではないか,と私は考える。彼は,そこにおもむかなくても,彼のめざしたところに到達したのだ。彼の意欲,彼の期待がおよぶ程度よりもさらに偉大に,栄光にみちて。そして彼は,その死によって,彼が生前の追究のあいだに憧れ求めていた権能と名声よりも先へ越えたのだった」
16世紀のフランスの貴族が云わんとしたことと意味合いはちがうかもしれないが,そう,俺もそんな感慨を持ったことが確かにある。
ノンフィクション(-2010) - 読了:05/04まで (NF)