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2008年8月25日 (月)
永訣の朝 (河出文庫)
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川嶋 康男 / 河出書房新社 / 2008-08-31
数年前に札幌の博物館ではじめて知ったのだが,終戦直後,樺太にあった真岡という町にソ連軍が攻め込み,電話交換手の若い娘たちが次々と毒を呷って死んだ事件があったのだそうである。玉音放送の5日後の出来事である。その経緯を描いたノンフィクション。
集団自決は具体的な危険に迫られてというより,一種のマス・ヒステリーのようなものだったらしい。本当に悲劇的な話だ。
とはいえ,同時期には引き揚げ船が撃沈されたりソ連軍に砲撃されたり朝鮮人が虐殺されたり,たくさんの人が亡くなっているわけで,それらの無名の死者たちを棚に上げて自決した乙女たちだけを称揚するのも,なんだか変な話だと思う。
日本近現代史 - 読了:08/25まで (CH)