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2008年9月 7日 (日)

Bookcover 松風の門 (新潮文庫) [a]
山本 周五郎 / 新潮社 / 1973-09-03
先週は会社の仕事そっちのけで(どうもすみません),行動計量学会の大会に通っていた。出張と称して出かけている身の上であまりこういうことをいってはいかんのだが,自分が発表するわけでもない学会で他人の話をふがふがと聞いているのは,むなしいような,それはそれで楽しいような。。。不思議な気分である。
 会場の成蹊大は吉祥寺からバスなので,ためしにwebで探してみたら,バスを待つ目の前の商店街にブックス・ルーエという本屋があることがわかった。出版関係の記事かなにかで目にしたことがある名前で,たしかその筋では有名な店だ。立ち寄ってみたら,一見したところ街のふつうの本屋だが,なるほど気合いが入っていて,棚には隅々まで工夫があるし,コミック売り場に飾ってあるマンガ家の色紙のラインナップたるや,もう錚々たるものである(それだけイベントを開いているということだ)。
 文庫売り場では,「各社の夏のキャンペーン本に店員が全部POPをつけます!がんばります!」という趣旨の企画をやっていた。本屋さんの平台に「××文庫の100冊」が並べられるのは夏の風物詩だが,今時はいろんな版元がその手のキャンペーンをやっているもので,どの本屋でもなんだかメリハリがつかない感じである。そうか,そういう遊び方があるのか,と感心した。
 もっとも,並べられた文庫本のなかにはまだPOPが与えられていないものも多かった。夏も終わりだというのに,大丈夫なのか。樋口一葉「にごりえ・たけくらべ」のPOPが「日本銀行リスペクト!」って,いいのかそんなので。笑っちゃったけどさ。
 見学だけでは悪いので,しばらく前に評判になった小説と,山本周五郎の未読の文庫を手に取った。かつて端から読み漁ったはずの山周に,まだ読んでないのが残っていたのだ。うーん,記憶というのは当てにならない。

Bookcover 閉鎖病棟 (新潮文庫) [a]
帚木 蓬生 / 新潮社 / 1997-04-25
吉祥寺で買ったもう一冊のほうの文庫。てっきりミステリかとおもったのだが,精神病院の長期入院患者の群像を描いた,しみじみとした小説であった。

フィクション - 読了:09/07まで (F)

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