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2008年11月 3日 (月)
日本の百年〈9〉廃墟の中から―1945~1952 (ちくま学芸文庫)
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鶴見 俊輔 / 筑摩書房 / 2008-06-10
61年刊の戦後史シリーズ,その9巻目。終戦直後の世相を記録した内容。エピソードがどうしても東京に偏ってしまうのは,致し方のないことなのだろう。
8月15日,民間の尊皇主義団体が内大臣木戸幸一の宿泊先を襲撃し警官を斬り(木戸は宮中にいて無事だった),その後愛宕山に立てこもり7日間に渡り籠城,最後は手榴弾で自爆するという事件があったのだそうだ。愛宕神社は勤め先の近所で,ときどき散歩にいくのだが,そんな事があったとは知らなかった。
玉音放送を聞いても全軍が武器を置いたわけではなく,特に厚木航空隊は強硬な抗戦派で,だから愛宕山の籠城の折りにも飛行機が飛んできて,取り囲む警官隊に徹底抗戦を訴えるビラを撒いた由。パイプをくわえたマッカーサーがタラップを降りてくるあの有名なシーンは厚木基地でのものだが,占領軍が第一陣の到着地をこともあろうに厚木に指定してきたもので,日本側としては「厚木基地ではいま反乱が起きているから他の場所に変えてください」ともいえず,おかげで鎮圧に大変な苦労をしたそうだ。うーん,よくあるよなあ,そういうことって。
日本近現代史 - 読了:11/03まで (CH)