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2008年11月 3日 (月)
学力問題のウソ
[a]
小笠原 喜康 / PHP研究所 / 2008-09-13
ゆとり派も基礎学力派も知識を外在的に捉えている点で誤っている由。じゃあどういう話になるのかと思ったら,状況論っていうんですか,そういう方向の落ちであった。ふうん。
毎回思うのだけれど,教育の話って議論が入り組みすぎていて,さっぱりわからない。この本は学習指導要領の大綱化を提唱しているが,新学力観の下で指導要領はもうとっくに大綱化していて,その象徴として総合的な学習があったんじゃなかったっけ?
というわけで,この本の内容をどう評価したらいいのかわからないのだが(わかるだけの能力もないが),教育というのは正統的周辺参加だから子どもの社会参加の機会を増やせ...という話の展開はドウヨ,と思った。教育を正統的周辺参加として捉え直すことができる,という話と,教育は実践共同体への参加であるべきだ,という話とは性質がちがうだろう。
まあ,新書だから意を尽くせていないのかもしれない。それに,実践家の理屈は往々にしてわかりにくいものだ。著者は博物館教育の研究をしているそうだから,そっちの本を読んだほうがいいのかもしれない。
心理・教育 - 読了:11/03まで (P)