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2009年2月11日 (水)
積極―愛のうた (クイーンズコミックス)
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谷川 史子 / 集英社 / 2006-10-19
手紙 (りぼんマスコットコミックス クッキー)
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谷川 史子 / 集英社 / 2009-01-15
谷川史子という少女マンガ家の恐るべき技術に感嘆し,本屋に行くたびに探して買い込んでいるのだが,そのわりには,これまで好きだと思ったことは一度としてなかったのである。なぜなら俺が思うに,中学生の少女の揺れる初恋とか,若い恋人たちの愛と信頼とか,これほどまでにどうでも良い話は他にない。繊細な描写と精密な構成,この才能がこんなくだらん話題に浪費されているなんて,誠に嘆かわしいことだ,とさえ思っていた。自慢じゃないが,俺はとても心が狭いのだ。
こういう視野の狭い読者は,テーマさえ選べば,谷川先生にとっては赤子の手をひねるようなものであろう。というわけで,珍しく老年期の男性を題材にした短編「積極」に,俺は易々と手をひねられ,一晩で三回読み,あとでさらに二回読んだ。これに涙しないのは難しい。やられた。ここのところ読んだマンガのなかでベストワン。
坂道のアポロン (1) (フラワーコミックス)
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小玉 ユキ / 小学館 / 2008-04-25
坂道のアポロン (2) (フラワーコミックス)
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小玉 ユキ / 小学館 / 2008-10-10
なにかのマンガランキングで1位になっていたので(いま調べたら宝島社の「このマンガがすごい」であった),ためしに読んでみた。ここまでのところでは,純朴な高校生たちの呆れるぐらいにオーソドックスな恋愛風景を,丁寧に丁寧に描いているマンガ。舞台が60年代後半の九州に設定されているところがポイントだが,とはいえ時代風俗を描くことにはあまり関心がないようだ。おそらく現代日本でさえなければなんでもよかったのだろう。
中春こまわり君 (ビッグコミックススペシャル)
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山上 たつひこ / 小学館 / 2009-01
俺は「こまわりくん」を読んだことがないので,このマンガの細部については理解できないのだが,コンセプトはなんとなくわかるような気がする。かつてのギャグマンガの主人公たちは,いまやくたびれた中年であり,凡庸な現実に押しつぶされている。冴えない中年サラリーマンのこまわりくんは,軽薄な後輩にしつこく乞われ,酒席で「死刑!」と決めポーズを取るが,内心で「俺は全身の血液が沈んでいくのを感じた」と呟く。ファンタジーはとっくに終わったのだ。どこにも救いはない。
読者の年齢層が高いことで知られる「ビッグコミック」で断続的に掲載されていたらしい。このマンガを好んで読むのはいったいどういう人だろうか。これが受け入れられるのだとしたら,マンガの世界も老熟した,というか,なんというか。。。
団地ともお 13 (ビッグコミックス)
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小田 扉 / 小学館 / 2009-01-30
深夜食堂 3 (ビッグコミックススペシャル)
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安倍 夜郎 / 小学館 / 2009-01
ロストハウス (白泉社文庫)
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大島 弓子 / 白泉社 / 2001-06
コミックス(-2010) - 読了:02/11まで (C)