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2009年2月11日 (水)

Bookcover 納棺夫日記 (文春文庫) [a]
青木 新門 / 文藝春秋 / 1996-07
前半は葬儀社の社員として,多くの遺体の納棺に携わった体験談。後半は親鸞と宮沢賢治に導かれた哲学的エッセイ。実際に読んでみると,この構成が必然的なものだということがわかるのだけれど,ふつうの見方をすれば散漫な内容だということになるだろう。失礼な言い方だけど,こうして文庫化されたのもひとえに映画化されたせいであって,本来であれば東京の大出版社からは絶対に出てこないタイプの本だと思った。地方出版社を無闇に持ち上げる風潮もなんだか変だと思うのだが,この本を最初に出版した富山の桂書房という版元の,志の高さに感銘を受ける。

Bookcover 会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ) [a]
西村 英俊 / 日本経済新聞出版社 / 2009-01
双日初代社長の体験談。いかに経営者が大変か,という話。

Bookcover 回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書) [a]
畑村 洋太郎 / 講談社 / 2009-01-16
失敗学で有名な先生が,失敗から立ち直るための心構えを説いた本。一種の世間話本だが,内容には含蓄がある(というか,含蓄しかない)。

Bookcover 新潟少女監禁事件 密室の3364日 (朝日文庫) [a]
松田 美智子 / 朝日新聞出版 / 2009-02-06
この著者のデビュー作は昔の女子高生誘拐事件を描いたノンフィクションだったが,心情や性交シーンをまるで見てきたかのように詳細に描写しすぎるので,これは週刊新潮風の実話小説と捉えるべきだなあ,と思ったことがある。この本はあの新潟の監禁事件を扱ったもので,またああいうのを書いたのかと恐る恐る手に取ったが,内容は取材を積み重ねたオーソドックスなノンフィクションであった。この著者も変化しているのだろう。
 9歳から9年間監禁された被害者の女性は,その後の適応の難しさについてこう述べているそうだ。「九年間,私がいない間に流れている川があるとして,私が戻ってきて,またその川に入りたいんだけど,私が入ったがために水の流れが止まったり,澱んだり,ゴミがつまったら嫌だから,私はこっそり見ているだけで,入れない」

Bookcover 続・インドの衝撃―猛烈インド流ビジネスに学べ [a]
NHKスペシャル取材班 / 文藝春秋 / 2009-01

ノンフィクション(-2010) - 読了:02/11まで (NF)

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