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2009年4月 5日 (日)
警察署長〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
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スチュアート ウッズ / 早川書房 / 1987-03
警察署長〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
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スチュアート ウッズ / 早川書房 / 1987-03
1920年代から60年代までのアメリカ南部の田舎町を舞台にした大河警察小説。原著は81年刊で,話の展開がちょっと古くさいんだけど,警察小説の古典といわれるだけのことはある,面白い小説であった。
この小説は,邦訳が出たとき(84年)に絶賛する書評をみかけ,以来ずーっと読みたいと思っていたのだが,当時は本を買う金がなかったのである(そりゃそうだ,高校生だもんな)。87年に文庫化されていたようなのだが,気がつかなかった。先日本屋で,復刊された文庫本が平積みされているのをみつけ,なんだかタイムスリップしたような気分になった。ずっと気にしていた本をついに読んでしまったので,なんだか寂しいような気もする。
暗愚なる覇者〈上巻〉―小説・巨大生保 (新潮文庫)
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高杉 良 / 新潮社 / 2009-03-28
暗愚なる覇者〈下巻〉―小説・巨大生保 (新潮文庫)
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高杉 良 / 新潮社 / 2009-03-28
いちおうはサラリーマンのハシクレとして日々を過ごしているわけだが,なにせ業界参入がつい最近だもんで,基本的な立ち居振る舞いにいまいち自信が持てない。名刺ってどうやって渡すんだ? 敬語ってどのくらい必要なの? こんな事でいいのか,いやだめなんだろうなあ。。。という漠然とした不安が,本屋さんの店先で,時に奇行として火を噴いてしまうのである。自己啓発本買っちゃったり,ベタベタな企業小説を買っちゃったり。
主人公は巨大生保のエース級社員で,下には人望厚く上には直言を辞さない。ニューヨーク勤務時は,社長の公私混同や幹部たちの隠微な権力闘争を目にし義憤に駆られる(そして社長の愛人と寝る)。下町の支部長に飛ばされ,職員を使い捨てるノルマ営業に怒りを抱きつつ,部下の人心を掌握し奇跡的業績を挙げる(そして成績トップのセールスレディと寝る)。要するに,話の枠組みはマンガ「課長島耕作」と同じである。
クダラナイ,と切り捨ててはいけないんだろうな。この本のポイントは小説としての良し悪しではなく,小説の形式をとって日本生命の暗部を告発しているというところなのであろう。でも残念ながら,日生の経営がどんなに腐敗していようが,俺は別にどうでもいいです。。。ううむ,やっぱり俺はビジネスマンって柄じゃあないなあ。
フィクション - 読了:04/05まで (F)