« 読了:McCutcheon(2002) 潜在クラスモデル入門 | メイン | 夢 »
2010年4月16日 (金)
Vermunt, J.K., Magidson, J. (2002) Latent class cluster analysis. in Hagenaars & McCutcheon (eds) "Applied Latent Class Analysis," Cambridge Univ. Press. Chapter 3.
潜在クラス論文集の第三弾。表題は「潜在クラスでクラスタ分析」という程度の意味で,量的指標と質的指標を統合的に扱う枠組みの紹介。著者はLatent Gold の開発者だと思う。事例のところで死ぬほど眠くなり,かっぱえびせん並の速度でボトルガムを口に放り込みつつ斜め読み。
わかりやすい解説であった。あいにく頭が悪いもんで,クラス内共分散行列の固有値分解のくだりがよく理解できなかったが,これは元の論文にあたることにしよう。残りの章はかなりspecificな話題なので(3パラメータ・ロジスティック潜在クラスだとか),混合回帰の章だけ目を通して,あとはもう少しマーケティング寄りの文献にあたったほうがいいかも。
はじめて潜在クラス分析を使ったとき,潜在クラスのpredictorである外生変数と,潜在クラスによって予測される内生変数(ないし潜在クラスの指標)が実質的にどうちがうのかがわからず,丸一日頭を抱えたことがあった。SEM関係のMLやMplusのサポート掲示板でもなんどか見かけた質問なので,初学者のFAQなのだろう。この論文には実にあっさりと,まあ似たようなもんよ,と書いてあった。ある意味,これは適切かつ親切なコメントだと思う。最初からそこで悩むのは生産的でない。やれやれ... よく「データの分析には経験が重要だ」なんていうけど,あれは実務家の願望に過ぎないんじゃないかなあ。多くの事柄は実務を通じて身につけるよりも活字で学んだ方が早い。
論文:データ解析(-2014) - 読了:Vermunt&Magidson(2002) 潜在クラスでクラスタ分析