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2010年5月26日 (水)
歴史とは何か (岩波新書)
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E.H. カー / 岩波書店 / 1962-03-20
ホイジンガに「歴史的思惟はいつも目的論的なものである」という言葉があるのだそうだ。 著者いわく,「歴史は伝統の継承とともにはじまるものであり,伝統とは,過去の習慣や教訓を未来へ運び入れることを意味します」「私の考えでは,優れた歴史家たちは,意識すると否とに関わらず,未来というものを深く感じているものです。『なぜ』という問題とは別に,歴史家はまた『どこへ』という問題を提出するものなのであります」
これもまた別の話 (新潮文庫)
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和田 誠,三谷 幸喜 / 新潮社 / 2010-04-24
週末,気分転換に読んだ本。一本の映画について語り倒すという対談本の二冊目。和田誠さんも三谷幸喜も一流の実作者だから,素人には思いもよらない視点の感想が飛び出すところがエキサイティングなのだが,どうでもいいような馬鹿話もまた魅力的である。
声に出して笑ってしまったのは,「カサブランカ」の回。I.バーグマン演じるイルザは,現恋人であるレジスタンスの闘士ラズロと,元恋人であるところの飲み屋のオヤジ・リック(H.ボガート)の間で揺れるのだが,なんでもバーグマンは結末を知らされぬままに演じていたのだそうだ。いや,だけど結末を教えてもらわなくたって,主役のボガートが身を引いて,二枚しかない許可書をイルザとリックに渡し,警察署長ルノーら追っ手から脱出させてやらないことには,映画として成立しないではないか? ほかにどんな結末があるというのか,という話になって。。。
三谷「僕ならイルザを残して,リックとラズロが行くというのにしますね」
和田「それでイルザとルノーがうまくいって...」
三谷「新しい愛が生まれる」
なにを考えているのか,まったくもう。
ノンフィクション(-2010) - 読了:「歴史とは何か」ほか