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2011年12月28日 (水)

Vermunt, J.K., & Magidson, J. (2005). Factor Analysis with categorical indicators: A comparison between traditional and latent class approaches. In A. Van der Ark, M.A. Croon and K. Sijtsma (eds.), New Developments in Categorical Data Analysis for the Social and Behavioral Sciences, 41-62. Mahwah: Erlbaum.
 仕事の都合で読んだ。付け焼刃もいいところだが、仕事が押して会社に泊まり込んだのに(やれやれ) 計算が終わらないので結構ヒマ、という事情もある。
 カテゴリカル指標の因子分析のかわりに、複数の潜在クラス変数を想定するという方法があって、Latent Goldの開発者Vermuntさんはこれをlatent class factor analysis (LCFA)と呼んでいる。なるほど、名義変数への拡張が容易になるから、動機としてはよくわかる。で、この論文の主旨は、(1) たとえ指標がすべて二値であっても、因子分析ではわからないことがLCFAでわかったりするよ。(2)LCFAのアウトプットは指標に対するロジットモデルの係数になってしまってややこしいので、まずモデルを推定し、次に推定された所属クラス(ダミー変数にする)を独立変数、指標の値そのもの(多値のときはダミー変数にする)を従属変数にした線形回帰モデル(!)を推定し、その係数を因子負荷に見立てれば結果を因子分析っぽく表現できて都合がいいよ。
 便利かもしれないけどずいぶん荒っぽい話だなあとびっくりしたが、きっとLatentGoldでは実際にそういう出力が出るのであろう。
 論文の主旨はともかく、VermuntさんのいうLCFAと、Mplusの開発者MuthenさんがいうLCFAがちがうということに気が付いたので、その点が収穫であった。Vermuntさんがいっているのは、ちょうど因子分析で指標の背後にk個の連続的潜在変数を想定するように、k個のカテゴリカル潜在変数を想定することだ(各潜在変数のクラス数が2ならば(2^k)個のジョイント・クラスを推定することになる)。いっぽうMuthenさんがいうLCFAは、指標群の背後に連続的潜在変数とカテゴリカル潜在変数の両方を想定するタイプのモデルだと思う。

論文:データ解析(-2014) - 読了:Vermunt & Magidson (2005) 潜在クラス因子分析は素敵だ

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