elsur.jpn.org >

« 読了:「野中広務回顧録」「特高警察」 | メイン | 読了:Erdem & Swait (1998) シグナリング現象としてのブランド・エクイティ »

2012年8月 2日 (木)

 先週、仕事の都合で、ブランドエクイティ測定に関する資料をオフィスの机の上に山積みにし、朝までひとりで読みまくるという、奇妙な一夜を過ごすことになった。いったいなにをやっているのか。×十年前の修士課程時代からまったく進歩していない。
 めくった資料のうち、論文で覚えているものをいくつかメモ。他にもあったのだが、忘れてしまった。途中からすさまじい眠気に襲われ、さっぱり頭に入っていない。

Keller, K.L. (2006) Measuring brand equity. in Grover & Vriens (eds.), "The Handbook of Marketing Research." Sage.
 ケラーの分厚い教科書の、8,9,10章の簡略版だと思う。なのでちゃんと読んでないけど、どこを眺めても、論旨が明晰で助かる。この章に限らず、このハンドブックはいざというときにとても便利だ。
 えーっと、ブランド価値のソースの測定方法として、質的方法として自由連想法、投影法、ブランド・パーソナリティ評価、エスノとか観察とかを紹介。定量的手法として、ブランド認知の測定(再認とか再生とか)、ブランドイメージの測定(連想とかパフォーマンス評価とかブランドに付随するイメージとかなんとか)を紹介。ブランド価値の結果指標として、比較法(ブランドベース比較、マーケティングベース比較、コンジョイント分析)、全体的方法(残差アプローチ、価値評価アプローチ)を紹介。で、ブランド・バリュー・チェーン(マーケ投資→ブランド知識→市場でのパフォーマンス→投資価値ってやつ)の紹介。ブランド価値管理システム(監査とトラッキング)の紹介。

Leiser, M. (2004) Understanding brand's value: Advancing brand equity tracking to brand equity management. Handbook of Business Strategy, 5(1), 217-221.
 所収のHandbook of ...というのは書籍というより年鑑のようなものらしい。著者は実務家。ブランド・エクイティの諸次元をただトラッキングするのではなく、そのブランドにとってなにが大事なのかをプロファイリングしなさい,というような主旨。

 それからErdemという人の論文。これがやたらに面白かったせいで、ずいぶん時間を無駄にしてしまった。メモは別のエントリで...

論文:マーケティング - 読了:Leiser (2004) ブランドエクイティ管理; Keller(2006) ブランドエクイティ測定

rebuilt: 2020年11月16日 23:00
validate this page