elsur.jpn.org >

« 読了:「ベイズモデリングによるマーケティング分析」「Rによるベイズ統計分析」 | メイン | 読了:Goldstein(1990) 「お金と愛情とどちらが大事ですか?」「選択肢によりますね」 »

2012年9月20日 (木)

Shu, L.L., Mazer, N., Gino, F., Ariely, D., Bazerman, M. (2012) Signing at the beginning makes ethics salient and decreases dishonest self-reports in comparison to signing at the end. Proceedings of the National Academy of Sciences, 109(38).
 ある方のtwitterの呟きで知った論文(感謝...)。記名式の1p調査票で、記名欄が下にあるよりも上にあるほうが正直な回答が得られる、という実験研究。楽しいなあ。
 自分の名前を書くという行為が正直さ概念を活性化させるからだ、という説明。ご丁寧に潜在課題(語彙完成)で証拠を添えている。
 回答が正直かどうかをどうやって押さえたんだろう、と興味を引かれて目を通した。パズルをやらせ、その正解数に応じた報酬を与えるのだが、実は税金の関係で金額がちょっと目減りしちゃうんです、別室で還付してますんでよろしくと伝える。で、別室で再度、じゃあこの紙にあなたの先ほどの正解数をご記入ください、という手続き。その紙の記名欄の位置を操作する。なるほど。
 倫理性を活性化させる手続きは、自分の名前を書かせる他になにかないかしらん? 今度調べてみよう。

 よくみたら、著者にアリエリーが入っている。この人は実在するのだろうか。面白い研究を発表する際には連名にアリエリーという架空の名前をいれるという決まりかなにかがあるのではないか。

論文:調査方法論 - 読了:Shu, et al. (2012) お名前記入欄は最初に

rebuilt: 2020年11月16日 23:00
validate this page