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2012年11月 6日 (火)

平凡な生活ながら,それなりにいろいろあって,気がついたら,最近はマンガしか読んでいない。
不思議なことに,滅多に読めないような素晴らしいマンガが,同時期に立て続けに平台に並ぶ,というような巡り合わせがあるもので。。。

Bookcover 澄江堂主人 中篇 (ビームコミックス) [a]
山川直人 / エンターブレイン / 2012-10-25
Bookcover 澄江堂主人 後篇 (ビームコミックス) [a]
山川直人 / エンターブレイン / 2012-10-25
芥川龍之介の最期の日々を静謐に描く。このマンガには不思議な仕掛けがあって,芥川をはじめとするすべての文士がマンガ家に置き換えられているのだけれど,下巻の展開をみて,やはりこういうことがやりたかったんだなあ,と納得。山川直人さんの単行本は全部読んでいるけれど,これは著者の最高の達成だと思う。

Bookcover ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻 [a]
こうの 史代 / 平凡社 / 2012-09-27
文字通りボールペンで,古事記を原文通りマンガ化するという,異様な傑作。ため息をつきながら繰り返しめくった。どのページも美しい。

Bookcover ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン) [a]
豊田 徹也 / 講談社 / 2012-10-23
著者はたまに講談社「アフタヌーン」誌で,きわめて鮮烈な作品を発表しているマンガ家。いったいどうやって食っているんだろうか。
 この本は,03年から今年までの短編を集めたもの。先日立て続けに掲載された短編「海を見に行く」「とんかつ」が,こうして読み返してもやはり,実に素晴らしい。読み終えてからも,揚げたての油の匂いや潮風が周囲に残るような気がする。マンガの徳というものであろう。

Bookcover ジャコモ・フォスカリ 1 (オフィスユーコミックス) [a]
ヤマザキ マリ / 集英社クリエイティブ / 2012-09-25
これもちょっと,一筋縄ではいかない,魅力的なマンガで... 60年代末の東京を舞台に,安部公房,三島由紀夫を思わせる作家達と,イタリア人研究者との交流を描く。こんな不思議な連載,「テルマエ・ロマエ」の大ヒットがなければ,とても実現しなかっただろう。

コミックス(2011-) - 読了:「澄江堂主人」「ぼおるぺん古事記」「ゴーグル」「ジャコモ・フォスカリ」

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