« Simonson, Carmon, O'Curry (1994) どうでもいいプロモーションや製品属性が害をなすとき | メイン | 読了:「重版出来」「れんげヌードルライフ」「銀のニーナ」「おかめ日和」「しろくまカフェ」 »
2013年7月18日 (木)
トラップホール 2 (Feelコミックス)
[a]
ねむ ようこ / 祥伝社 / 2013-07-08
29歳独身女性を主人公にしたコミカルな恋愛ドラマ。祥伝社フィールヤング連載。
個人的な意見を言わせて頂くならば、主人公ハル子はほんっとに嫌な奴である。そこそこ美しく、人当たりが良くて妙に勘が良くて、しかし信念というものがなく、くにゃくにゃと男と寝てしまう。本質的に筋道というものがない。もしこういう女が身近にいたら、と想像するだけで腹が立ってくる。物語中に、主人公を嫌って不倫相手の妻に告げ口する不細工な女が出てくるが、私は断然彼女の味方である。ああいうハタ迷惑な女たちを片っ端から拘束し、若さをすっかり失うまで離れ小島の強制収容所に閉じ込めておくことはできないものか。
と思う一方で、あのハル子たち... 20代に何度か目にした、あのハル子的な娘たちにも、彼女たちなりの涙があり悲しみがあったのだな、という奇妙な感慨がある。結局のところ、私には青春期がもたらす哀歓のうちある部分のみに耽溺し、ほかの部分を理解することがなかった。これからも、本当のところは理解できないだろう。いまこうしてマンガを読みながら、皆さんいろいろ大変だったんだろうな、と、ちょっと寂しいような、でもちょっとホッとするような、そういう不思議な思いにとらわれるのである。
くらすはこ (ヤングジャンプコミックス)
[a]
ねむ ようこ / 集英社 / 2013-07-08
銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)
[a]
荒川 弘 / 小学館 / 2013-07-11
木曜日のフルット 3 (少年チャンピオン・コミックス)
[a]
石黒 正数 / 秋田書店 / 2013-07-08
暗殺教室 5 (ジャンプコミックス)
[a]
松井 優征 / 集英社 / 2013-07-04
飯田橋のふたばちゃん(1) (アクションコミックス)
[a]
横山 了一 / 双葉社 / 2013-06-28
擬人化萌えマンガは多々あるが、本作はマンガ出版社を擬人化した4コマ。主人公は飯田橋の双葉ちゃん、困ったときにも神風を待つ楽天家(「双葉社には神風が吹く」を踏まえている)。友達はスポ根少女の講談ちゃん、束縛の強い集英ちゃん、ヤンキーの秋田ちゃん、その妹の「常に体張ってる」いちごちゃん(秋田書店は萌え系漫画誌も出していて、成年マークがついていないせいもあって規制論者に目をつけられやすい)、プリントを受け取って友達に渡すだけでなぜかそのプリントの枚数が減っている小学ちゃん(もちろん原稿紛失訴訟を指している)、勢力を拡大しようとする角川ちゃん、生き別れの妹たちがいるスクエミちゃん(スクエア・エニックスのコミック部門はかつて分裂騒動があった)、などなど...
半分くらいしか理解できないんだけど、それでも何カ所も爆笑した箇所があった。講談ちゃんが手下の銀杏ちゃんを置いて自分だけタクシーで去っていく場面、涙が出ました(神保町の編プロ・銀杏社のことであろう)。私にわかるだけでも、これだけ面白いネタが揃っているとは。他の業種ではちょっと考えにくい。出版にはそれだけの歴史の蓄積があるということだなあ、と感心した。
コミックス(2011-) - 読了:「トラップホール」「銀の匙」「木曜日のフルット」「くらすはこ」「飯田橋のふたばちゃん」「暗殺教室」