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2014年2月12日 (水)
何が社会的に構成されるのか
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イアン・ハッキング / 岩波書店 / 2006-12-22
よく考えてみると読んでなかった敷居の高い本に思い切ってチャレンジする「実をいうと読んでなかった」シリーズ、M.ウェーバーに続く第二弾。高名な哲学者ハッキングの本だという怖れがあって、買ってはみたものの本棚で眠っていたのである。
いざ手に取ってみたら、もともとカジュアルな書き方らしいし、(残念ながら)抄訳だし、訳文はくだけすぎじゃないかというくらいだし... さっさと読んでおけば良かった。
いわゆる社会構成主義、そして「○○は社会的に構成されたものだ」というときの社会的構成という概念そのものについて検討・解体するという内容。後半では、自然科学、精神医学、児童虐待をめぐる議論における構成主義的主張を取り上げる。
自然科学に関していえば、社会構成主義の主要なテーゼは次の3つだそうだ。
- 偶然性。例、「クォークという概念の出現は不可避ではなく、そんな概念なしの物理学だってあり得た」。
- 唯名論。わかりにくいけど、反-実在論というような意味ではなくて、世界の存在のありかたは我々の理解を超えており、我々の理解した構造など世界に属するものではない、という立場のこと。
- 安定性の外的な説明。科学的信念の安定性についての説明を、科学外の要因(たとえば社会的要因とか)に求める立場。
もっとも、社会構成主義にはこの3つの「係争点」についての主張だけでなく、反権威主義とか倫理的主張とかも含まれているし、3つの係争点におけるそれぞれの論者の立場もさまざまである由。ハッキングさんいわく、ご自身は3つの係争点に対して、5件法評定で2, 4, 3という立ち位置だそうです。ははは。
鎌倉仏教 (ちくま学芸文庫)
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佐藤 弘夫 / 筑摩書房 / 2014-01-08
哲学・思想(2011-) - 読了:「何が社会的に構成されるのか」「鎌倉仏教」