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2014年5月 8日 (木)

崔仁淑(2014) タブーであるテーマを巡る日本人の世論 -新しい実験調査手法による世論の構造的解明-. 行動計量学, 41(1), 47-62.
 要するにネット調査で一種の説得実験をやったというような研究だと思うんだけど、本筋じゃなくて先行研究概観のところをメモしておく(すいません、単に私の関心の問題です)。

というわけで、「インタラクションを利用したサーヴェイ調査」というのがそんなに新しい発想じゃないらしいという点が勉強になった。
 消費者調査の文脈で、定量調査にちょっとインタラクティブな要素を持ち込もうとすると、いきなり定性的インタビューとのアナロジーで受け取られてしまい、いやそこまで飛躍するつもりはないのよ、単に特定の性質の認知過程を引き起こそうとしているだけで、その限りにおいてはstaticな質問紙となんら変わりがないのよ... という違和感を感じていた。ぼやいていないで、ちゃんと調べてみるべきだな。きっと先達はいる。
 
 著者は無闇に控えめな方で、締めのくだりで「本論文はポスト・ドクターという制限のある地位において実施した調査データから分析、結論付けたものである。それゆえ[...]確実な証明になっていないことを十分に認識している」なあんて書いておられる。いやそんなことを書いてくださらなくても、とちょっと可笑しかった。

論文:調査方法論 - 読了: 崔(2014) 世論調査の途中で調査対象者に反論してみる

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