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2014年5月11日 (日)
ベケットと「いじめ」 (白水uブックス)
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別役 実 / 白水社 / 2005-08
中野の中学校でのいじめ自殺事件(86年)を題材にして、ベケットと現代の演劇を論じる本。
別役実の評論の代表作ともいうべきとても有名な本だと思うけど、インテリが事件を題材に何事かを語るということ自体に私は強い拒否感を感じていて、どうしても手に取る気になれなかった。連休中にふと入った小さな本屋さんで白水社の在庫僅少本フェアをやっていて、深く考えずにふと手に取ったら、原著は87年刊、意外にも、すでに四半世紀が経過している。なんとなく、もういいかなあ...という気持ちになった。
彼と同じ事態のなかで、同じことを夢見て死に、しかしその自死が隠され、忘れ去られた子どもたちが、たくさんいたと思う。亡くなった少年は勝ったのだ。彼は命と引き替えに彼の欲した勝利を手に入れた。だから、彼を哀れむのではなく讃えるべきだ。彼がそのようにして勝利すべきであったかどうかは別にして。と、その頃私は思った。今でも少しだけそう思っている。
お菓子でたどるフランス史 (岩波ジュニア新書)
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池上 俊一 / 岩波書店 / 2013-11-21
ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書)
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矢野 久美子 / 中央公論新社 / 2014-03-24
ノンフィクション(2011-) - 読了:「ベケットといじめ」「お菓子でたどるフランス史」「ハンナ・アーレント」