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2014年7月 2日 (水)
女殺油地獄/出世景清 (岩波文庫 黄 211-3)
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近松 門左衛門,藤村 作 / 岩波書店 / 1938-07-01
6月の一時期は、頭の中はもう女殺油地獄で一杯だったのである。この近松という人、絶対にトシを偽っている。どう考えても現代劇作家だ。それもジェームズ・ケインかパヴェーゼの影響を受けている作家に違いない。
で、ずっと考えていたのですが(ヒマなのか俺は)、お吉という女は、与兵衛との間には本当になんにもなかったのだけれど、でもそのなにもないということを心密かに楽しんでいるというか、与兵衛と接しているときはほんの少しだけ気持ちが浮き立つというか、そういうところがあったんじゃないか、と思うのである。そこに彼女の悲劇の種があった、とまではいえないかもしれないけれど、とにかくそこんところが胸を抉る次第である。誰に説明しているのかわかんないけど。
シェイクスピア全集 (〔11〕) (白水Uブックス (11))
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ウィリアム・シェイクスピア / 白水社 / 1983-01
シェイクスピアのなかでは非常にマイナーな演目だと思うが、意外に面白かった。優柔不断な権力者って面白いですよね。
フィクション - 読了:「女殺油地獄・出世景清」「リチャード二世」