elsur.jpn.org >

« 読了:Cohen-Cole & Fletcher (2008) 幸福が感染するって? その理屈だとニキビも感染することになるけど? | メイン | 読了:Brown & Stayman (1992) 広告への態度は何に影響され何に影響するのか »

2014年7月 9日 (水)

伊庭幸人(2006) ベイズ統計の流行の背後にあるもの. 電子情報通信学会技術研究報告. ニューロコンピューティング. 106(279), 61-66.
 いつも拝読しているブログの記事で紹介されていた論文。読んでみたいなあ、ciniiで読めるのか、ログインしてみよう... と流れるようにクリックしていて、あっというまに購入してしまった(もちろん私費である)。怖い~cinii怖い~。

 学会の招待講演の原稿らしく、ちょっとくだけた感じの文章であった。
 途中で「カーネルしおまねき」っていうイラストが出てくる(カーネルトリックを使う場合カーネルの設計が重要、つまり最初が大変になるという主旨で、片方のハサミがすごく大きいカニが描かれる)。なぜにカニ?と思って検索してみたら、シオマネキって、片手がほんとに大きいのね! 知らなかった。名前からして、扇で優雅に潮を招くような感じの、もうちょっと優雅な姿を想像していた。

 ええと、内容のほうは難しくてわからない部分も多く、特に最後の「生成モデルと判別モデル」のところが私には難解だったのだが、でも勉強になりました。
 著者のいう生成的モデリングというのは、データの生成過程全体をモデリングし、観測値の同時分布の式をベイズの定理でひっくり返してパラメータを推定するという方針のことを指している。いっぽう判別モデリングとは、必要な部分だけモデル化するアプローチで、たとえば分類だったら観測値の下でのクラス所属確率を直接にモデル化する。ううむ、難しいなあ。たとえば顧客満足とか製品選好の研究で、満足なり選好なりを生成する心的過程を包括的に捉えんという意気込みの下、壮大なSEMのモデルを組んだ末に最尤推定することがあるけど、ああいうのはどっちなんだろう?

論文:データ解析(-2014) - 読了: 伊庭(2006) ベイズ統計の流行の背後にあるもの

rebuilt: 2020年11月16日 22:58
validate this page