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2015年1月14日 (水)

Klein, A.M., Becker, E.S., & Rinck, M. (2011) Approach and avoidance tendencies in spider fearful children: The approach-avoidance task. Journal of Child and Family Studies, 20, 224-231.
 approach-avoidance task(AAT)という潜在態度測定手法があるけど、その使用例を読みたくてパラパラめくったやつ。子どもの{クモ, 蝶}の写真に対するAAT。研究の視野には不安障害としての蜘蛛恐怖症の診断があるのだけれど、実際に使っているのは普通の子どもであった(9-12歳)。
 写真が出たらすぐに消せという課題の反応時間に、確かにクモに対する回避が現れているんだけど、試行を反復しているとわりかし早く馴化しちゃうみたいだ。そりゃそうだろう。理論的には単純反応課題のほうが純粋であるのはわかるんだけど、ロバストな測定という観点からは、なにかしらの認知的なカバー課題にしたほうがいいのではなかろうか。。。
 しっかし、手続き上仕方ないとはいえ、クモの写真が画面でがががーっと広がるのを見せられるわけで、子どもらも可哀想にね。

論文:心理 - 読了:Klein, Becker, Rinck (2011) AATでクモ恐怖を測定

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