elsur.jpn.org >

« 読了:Zhang (2004) ニューラル・ネットワークによるビジネス予測レビュー | メイン | 読了:「めしばな刑事タチバナ」「Sunny」「なぎさにて」「イノサン Rouge」「五大湖フルバースト」「僕らはみんな河合荘」 »

2015年10月26日 (月)

 先週のことだけれど、渋谷の丸善ジュンク堂書店で、書店員さんがレジ前ではじめたフェアが中止になってしまったそうだ。選書内容が政治的に偏っている、んだってさ。(東京新聞の記事)
 当該の書店員さんによるtwitterでのつぶやきがきっかけらしいんだけど、そのきっかけはどうでもいいとして... ああ、生きている間にこういう時代が来ちゃったなあ、という感慨がある。

 ともあれ、せっかくの選書が闇に葬られちゃうなんて、悲しいことだ。幸い、棚の写真をみつけることができたので、しみじみと眺め、どんな本が並べられていたのか推測してみた。所要時間約一時間。ヒマな奴だといわれても反論できない。

 丸善ジュンク堂書店公式アカウントによる上のツイートの写真に準拠し、左上から順に、読み取れる書名をリストアップした。なお、このツイートが10月14日、撤去が21日。期間中に本の入れ替えがあっただろうから、あくまで一時点でのリストに過ぎない。

なお、twitterでみかけた呟きによれば、このフェアでSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動) (編)「SEALDs 民主主義ってこれだ!」(大月書店)をお買い上げになった方がいる模様。この写真の時点では入荷してなかったのかな。

 丸善ジュンク堂書店の公式発表によれば、「本来のフェアタイトルの趣旨にそぐわない選書内容であったため、現在その内容について精査し選書を見直して再開する予定」とのこと。よもやなかったことにはなさらないと思うので、いったいどう見直すのか、楽しみに待ちたいと思う。
 どうせなら、アンダーソン「定本 想像の共同体」(書籍工房早山)とか、トクヴィル「アメリカのデモクラシー」のワイド版岩波文庫とか(文庫だと読み通せる気がしない)、坂井豊貴「多数決を疑う -- 社会的選択理論とは何か」(岩波新書)とか、どうでしょうか。福沢諭吉や吉野作造が並んでいるのも面白いと思う。フィクションに幅を広げて、井上ひさしの東京裁判三部作はどうかなあ? アーレント「人間の条件」の隣に立岩真也「人間の条件 そんなものない」を置くというのも、ちょっと可笑しいと思う。

2015/11/01追記: 東京新聞が書名リストつきの記事を載せてくれたので、答え合わせが可能となった。だいたい当たっておりました。そうか、キング牧師関連の本が入っていたのか。それは思いつかなかった。
 ありがとう東京新聞さん。これは前々から思っているんだけど、「こちら特報部」だけのメール配信とかがあったら、有料でも加入します。

雑記 - 2015年10月・丸善ジュンク堂渋谷店「自由と民主主義のための必読書50」フェア選書リスト

rebuilt: 2020年11月16日 22:56
validate this page