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2017年9月11日 (月)
秋山祐樹・仙石裕明・柴崎亮介 (2013) 全国の商業集積統計とその利用環境. GIS-理論と応用, 21(2), 11-20.
著者の先生方が開発してきた(そしてゼンリンが販売している)商業集積統計のつくりかたについて述べた論文。仕事の都合で読んだ。
いくつかメモ:
- 日本の商店街の数は、2007年商業統計によれば12568件。全国商店街名鑑というのがあって[知らなかった。版元は全国商店街振興組合連合会]、2004年版によれば13259件。三橋重昭(2009)「よみがえる商店街」という本によればおよそ18000件。
- 著者らの商業集積統計の作り方の概要。
- まず業種別電話帳から223業種を抽出し、各項目を地図上のポイントで表す。
- ポイント$N$について検索圏$R_N$を決める。半径20m, 30m, ..., 100mの円のうち、ポイントの密度が一番高くなる奴を選ぶ。
- 検索圏$R_N$のなかにある他のポイントの数を$n$, ポイント$N$から最近隣ポイントまでの距離を$dmin_N$、他のポイント$k$からみたポイント$N$以外の最近隣ポイントまでの距離を$dEmin_k$とする。ポイント$N$のバッファリング距離を
$D_N = (\sum_k^n dEmin_k + dmin_N)/(n+1)$
とする。だいたい15m~30mくらいになるそうだ。 - 各ポイントに、半径$D_N$の円形ポリゴンを与える。
- 重複するポリゴンを結合し、これを地域単位とする。ただし店舗数10以下だったら除外。
- 携帯電話のGPSログで来訪者数を推定しようという試みもやっているそうだ。
それにしても、まあ仕事で必要な勉強ならばなんでもやりますけど、いやーずいぶん遠くにきちゃったなあ、という感慨がある。トシ食ってからこんなふうに思ってもみないことを勉強する羽目になるくらいなら、若い頃に臨床心理士の勉強をしておけばよかったなあ、なあんて(すいません冗談です。超・冗・談・で・す)
論文:マーケティング - 読了:秋山・仙石・柴崎(2013) 商業集積統計のつくりかた