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2018年10月11日 (木)
Boone, H.N., Boone, D.A. (2012) Analyzing Likert Data. Journal of Extension, 50(2).
掲載誌はオンライン誌。生涯教育の関係者向けの雑誌ってことなのかしらん? よくわからない。
なにかの役に立つかと思って、資料整理のついでにディスプレイ上で目を通したんだけど...
いわく、Extensionの専門家[←どう訳せばいいのかわからん] はリッカート的な調査項目を頻繁に使っているが、誤用に満ちているので、諸君の無知蒙昧を正そう。
そもそもリッカート型項目とリッカート尺度は異なる。前者は単一項目として使うとき、後者はもともとリッカートさんが意図していたように、複数項目への回答から合成変数をつくるときだ。
リッカート型項目はStevensの測定尺度でいうと順序尺度なので、記述の際には最頻値とか中央値とかがお勧めだし[←まじっすか? どの項目でも同じ中央値になったりしまっせ? まあ信念ならしょうがないけどさ]、項目間関係は連関係数でみないといけない。
いっぽうリッカート尺度は間隔尺度なので[←これも...まあひとつの信念ですよね...]、平均とかSDとかがお勧めだし、相関係数を求めてもt検定してもANOVAやっても回帰やってもよろしい[←うううう...なにをもって「よろしい」というのかによるよね...]。
えーと、なんというか... どう反応したらいいのかわからない解説記事であった。
まあでも、あれですね、リッカート尺度という言葉が、x件法の複数項目の合成得点を表している場合と、(厳密に言えば誤用なのかもしれないが) x件法の単一項目を指している場合があって、ちょっと混乱することがある、というのは、ほんとだと思います。
論文:調査方法論 - 読了:Boone & Boone (2012) リッカート型項目とリッカート尺度