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2019年5月13日 (月)
石橋優子, 中谷内一也 (1991) 比較広告効果についての検討: 説得的コミュニケーションの一技法として. 社会心理学研究, 6(2), 71-79.
ちらし広告を作って質問紙調査する実験。{大企業による非比較広告, 弱小企業による非比較広告, 大企業による対弱小企業の比較広告, 弱小企業による対大企業の比較広告}の4水準を被験者間操作。
えーっと、ちゃんと読んでないけど(すいません)、比較広告のほうが注目されるが反感も持たれる。広告形態と広告主規模との相互作用はなかった。云々。
先行研究メモ:
- 市橋(1987 宣伝会議): 比較広告を明示性で5段階にわけている
- Wilkie & Farris(1975 J.Mktg.): 比較広告の特徴は(1)受け手の注意を集める、(2)ブランド知識を効率よく伝える, (3)信頼性が高い, (4)消費者からの反論が増加する可能性がある
- Greyser(1975 日経広告研究所報): 比較広告についての経験則のまとめ。比較広告がポジティブな効果を持つ条件は(1)自社製品が固有の利点を持つこと, (2)競合のほうが強いこと, (3)ブランドロイヤルティの低い消費者がたくさんいること, (4)消費者の判断力を真っ向から批判しないこと。
- Golden(1979 JMR): 実証研究。比較広告の広告主に対するロイヤルティは信頼感に関係する。被比較ブランドのロイヤルティは効かない
- Prasad(1976 JMR): 被比較ブランドのロイヤルティは比較広告の理解・評価を下げる
- Etgar & Goodwin(1980 JMR): 広告内容理解は比較広告で高い
- Mueller(1987 JAR): 日本の広告はsoft-wellが多い
こうしてみると、比較広告の実験研究ってのは結構古くからあるトピックなんすね。へー。
論文:マーケティング - 読了:石橋・中谷内(1991) 比較広告を作って印象評定させる実験