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2019年7月10日 (水)
今井徹(2016) MMM(マーケティング・ミックス・モデル)による広告効果測定の課題および今後の展望. 品質, 46(4), 381-386.
セミナーの準備でチェックしていて、読み損ねていた論文。著者について確認していなかったのだが、よく見たらご所属はALBERT、学会などで存じ上げている方だ...
よく整理され、図表が豊富で、わかりやすい解説であった。いくつかメモしておくと、
- MMMとアトリビューション分析を比べると、後者は広告接触がない状態での売上を0と仮定するので効果を過大評価し、また季節性を無視する、とのこと。そうなんですか...
- 著者によれば、広告の残存効果を長くしたMMMモデルはover-fittingでうまくいかない、MMMでは短期的な効果だけを評価し、長期効果はパネル時系列で推定するのがひとつの解決策だ、とのこと。ここ数ヶ月にわたってHanssens-Parsons-Schultz本を頼りに、時系列モデルで長期効果をどうやって推定するかという問題を延々考えていたので、彼我のニュアンスの違いにびっくりしたが、このへんは、実務家としての実感がこもっているのだろう。
論文:マーケティング - 読了:今井(2016) マーケティングミックスモデル・レビュー