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2019年8月15日 (木)
山田祐樹(2016) 認知心理学における再現可能性の認知心理学. 心理学研究, 59(1), 15-29.
再現可能性の危機についての意見論文。問題自体にはあんまし関心ないんだけれど、再現可能性評価のための予測市場の話が載っていたので目を通した。
いくつかメモ:
- Almenberg, Kittlitz, & Pfeiffer (2009 PLoS One), Hanson (1995 Soc.Epistemology): 科学のための予測市場の活用。両方ノーマークだった...
- Dreber, Pfeiffer, Almenberg, Isaksson, Wilson, Chen, Nosek, & Johannesson, M. (2015 PNAS): 再現可能性の予測市場をやりましたという報告。前に読んだNature Human Behaviourの論文と、著者が結構重なっている...そういえばあの論文でも予測市場やっていたから、関係があるのかも。
- 予測市場InTradeが政府に賭博とみなされて休止になったという話がちらっと書いてあるんだけど、賭博とみなされた理由のひとつはオプション取引があったからなのだそうだ。著者いわく、再現可能性の予測市場においてもオプション取引や空売りは導入すべきでないだろう、とのこと。えっ、そうなんですか? 賭博かどうかはペイオフの問題で、取引ルールとは関係ないと思ってた... Ozimek(2014)というwhite paperを見るといいらしい。
- 著者の先生いわく、そもそも再現可能性予測市場の予測性能が高いかどうかもわからない、とのこと。そりゃまあそうだ、研究の蓄積がないからね。
- 参加者にはある程度のトレーディングの経験も必要だろう、というくだりでAnderson & Sunder (1995 OBHDP), Peterson (1993 J.Econ.Behav.Org.)というのが挙げられていた。予測市場じゃないと思うけど、面白そうだ。しっかし、わたし株取引の経験とかないのに、予測市場の実験とかやっちゃって、どうもすいません。
論文:予測市場 - 読了:山田(2016) 再現可能性危機 in 認知心理学