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2020年1月 8日 (水)
Butler, N.A., & Denham, M.C. (2000) The peculiar shrinkage properties of partial least squares regression. J. R. Statist. Soc. B., 62(3), 585-593.
タイトルの通り、PLS回帰を偏回帰係数の縮小推定量として捉えた時、その挙動はかなり変だぜ、と指摘する論文。
イントロはとばして...
$p$個の説明変数$x_1, x_2, \ldots, x_p$に対する、単変量反応変数$y$の線形回帰について考える。
標本サイズを$n$とする。反応変数のベクトルを$Y$, $n \times p$計画行列を$X$とする。切片項を入れるのが面倒なので、$Y$と$X$は中心化済みとする。よって$X$のランクは$m \leq min(n-1, p)$である。
線形回帰モデルは
$Y = X\beta + \epsilon$
と書ける。$\beta$は$p$個の未知パラメータのベクトル。$\epsilon$は$N(0, \sigma^2)$にiidに従うものとする。
$\beta$の推定方法にはいろいろある。たとえば、OLS, リッジ回帰(RR)、主成分回帰(PCR)、そしてPLS回帰である。
$n < p$のとき、OLS推定量は一意に定義できないが、minimum length least squares推定量[←なにこれ?! なんて訳すの?]を使えば一意に決まる。
どんな手法であれ、推定量$\hat{\beta}$は、スペクトル分解を使って以下の一般的形式で表現できるだろう:
$X'X = \sum_j^m \lambda_j u_j u'_j$
ただし$\lambda_1, \ldots, \lambda_m$は$X'X$の正の固有値を大きい順に並べたもの、$u_j$は対応する固有ベクトルである。で、
$\hat{\beta} = \sum_j^m f(\lambda_j) \hat{\alpha}_j u_j$
$\hat{\alpha}_j = (1/\lambda_j) z_j$
$z_j = u'_j X' Y$
ここで$f(\lambda_j)$は縮小ファクター。$\hat{\alpha}_j$は主成分方向$u_j$におけるOLS推定量の係数で、互いに直交しており独立である。$z_j$は正準共分散である。
[ぶひー。$X'X$の固有値分解じゃなくて$X$の特異値分解で説明してほしいよ... まあいいや、なんだかよくわからんが、$\hat{\alpha_j} u_j = (1/\lambda_j) u'_j X' Y u_j$が、主成分回帰でいうところの$X$の第$j$主成分得点とそれに対応する偏回帰係数の積になっているのではないかと思う]
$f(\lambda_j)$を1以外のなにかにするとバイアスが生じる。しかし$f(\lambda_j) < 1$とすることで、$\hat{\beta}$の分散が縮小できるので、結局MSEは小さくできるかもしれない。いっぽう$f(\lambda_j) > 1$だと、バイアスは生じるわ分散は拡大するわで、MSEは大きくなる。
OLSの場合$f(\lambda) = 1$である。RRではなんらかの定数$k > 0$について$f(\lambda) = \lambda / (\lambda + k)$である。PCRでは採用した固有ベクトルについて$f(\lambda_j)=1$、残りは$f(\lambda_j)=0$である。
ではPLS回帰はどうか。$|\hat{\beta}_{PLS}| \leq |\hat{\beta}_{OLS}|$という意味では縮小推定量であることが知られている。しかし、ああなんということでしょう、$f(\lambda_j) > 1$となることがあるのだ。その説明をこれからご覧いただきましょう。
PLS回帰では、まず$k$個の因子$t_1, \ldots, t_k$を決める。$t_i = X c_i$は、$|c_i|=1$かつ$t_i$が互いに直交という制約のもとで、$t'_i Y$が最小になるように決める。[えーと、$c_i$ってのは第$i$因子の因子負荷ベクトルね]
次に、$Y$を$t_1, \ldots, t_k$に回帰する。つまり、
$\left( Y - \sum_i^k b_i t_i \right)' \left( Y - \sum_i^k b_i t_i \right)$
を最小にする$b_i$を決める。[$b_i$ってのは第$i$因子の偏回帰係数ね]
$\beta_{PLS} = \sum_i^k b_i c_i$と書くと、これは
$( Y - X \beta_{PLS})' ( Y - X \beta_{PLS})$
を最小にしていることになる。
以上を別の書き方で表現する。
PLS回帰では、
$span\{c_1, \ldots, c_k\} = span\{X'Y, (X'Y)X'Y, \ldots, (X'X)^{k-1} X'Y \}$
が成り立つ。[←なんで?! ねえなんでよ?! さっぱりわからない! Helland(1988, Communs Statist. Simuln Computn)というのが引用されているけどさ... 読むわけないじゃんか...せめて手がかりくらい教えてよ...]
ということは、
$\hat{\beta}_{PLS} = \sum_i^l \hat{\gamma}_i (X'X)^{i-1} X'Y$
と書ける。$X'X$のスペクトル分解を使うと
$f(\lambda) = \sum_i^k \hat{\gamma}_i \lambda^i$
となる。[...ついていけないけど... 写経して先に進もう]
さらにさらに別の書き方で表現する。
$(Y-X\beta_{PLS})'(Y-X\beta_{PLS})$
$=(Y-X\beta_{OLS})'(Y-X\beta_{OLS}) + (\hat{\beta}_{OLS}-\beta_{PLS})' X'X (\hat{\beta}_{OLS}-\beta_{PLS})$
ともかけるので、上の式の第二項を最小化しているのだということもできる。$X'X$のスペクトル分解を使うと、上の式は
$\sum_j^m (z_j^2/\lambda_j) (1-\sum_i^k \gamma_i \lambda_j^i)^2$
ともかける。これを$\gamma_q \ (q = 1, \ldots, k)$で微分すると[...話についていけなくなったので数行飛ばす...]、$k$次以下の任意の多項式$p(\lambda)$について
$\sum_j^m p(\lambda_j)(1-f(\lambda_j)) = 0$
が成り立つことが必要であることが分かる。
ここからは、$z_j \neq 0$であり、$\lambda_j$はすべて異なると仮定する。また$k < m$とする(もし$k=m$なら$\hat{\beta}_{PLS} = \hat{\beta}_{OLS}$だから)。
固有値$\lambda_1, \ldots, \lambda_m$のうち、$f(\lambda_j) < 1$となる奴の集合を$S$、$f(\lambda_j) > 1$となる奴の集合を$E$とする。
連続する固有値の集合を$R$と書く。つまりなんらかの整数$a \leq b$について$R=\{\lambda_j: a \leq j \leq b \}$である。
$R_1$の最大の要素が$R_2$の最小の要素より小さい時、$R_1 < R_2$と書く。
定理1. $k < m$因子のPLS回帰においては以下が成り立つ。連続する固有値の空でないdisjointな集合を$R_1 < R_2 < \ldots R_{k+1}$として、
$S = \bigcup_{i \ odd}{R_i}, \ \ E = \bigcup_{i \ even}{R_i} $
[かみ砕くとこういうことだろう。固有値$\lambda_1, \ldots, \lambda_m$について、$f(\lambda_j)$が縮小か拡大かに注目し、連続する縮小の並び、連続する拡大の並びをグループと呼ぶ。すると、縮小グループと拡大グループが交互に並ぶことになる。この定理がいっていることは、まず、グループの数が因子数+1になるということ。そして、一番右側のグループは常に縮小だということ。]
[証明はさっぱりわからんので読み飛ばした]
定理1から次のことがわかる。
$\lambda_m$は$S$に入る。因子数$k$が偶数なら$\lambda_1$は$S$に入り、$k$が奇数なら$\lambda_1$は$E$に入る。
$k=1$の場合、$\lambda_1, \ldots, \lambda_m$は左側が$E$になり右側が$S$になる。
定理2. $k = m- 1$のとき、$m-j$が偶数である$\lambda_j$は$S$に、奇数である$\lambda_j$は$E$に入る。さらに、なんらかの正の定数を$C$として下式が成り立つ.
$f(\lambda_j) = 1 - C\{z_j^2 \prod_{i=1,i \neq j}^{k+1} (\lambda_i - \lambda_j)\}^{-1}$
[証明は読み飛ばした]
定理3. $R_1$が$m-k$個の要素を持つとき、残りの$R_2, \ldots, R_{k+1}$はそれぞれ1要素となり、下式が成り立つ。
$f(\lambda_j) = 1 - C_j\{z_j^2 \prod_{i=1,i \neq j}^{k+1} (\lambda_i - \lambda_j)\}^{-1}$
ただし$C_j > 0$は$j$の減少関数, $C_j / (1-\lambda_{k+1}/\lambda_j)$は$j$の増大関数。
[証明は読み飛ばした]
この定理が示しているのは、小さい固有値ほど拡大や縮小が派手になるということである。
事例 [...疲れたので読み飛ばした]
結論。PLS回帰の縮小特性は奇妙である。PLS回帰を、多重共線性への対処としてオートマティックに使ってはならない。ユーザは最低限でも、PLSの係数をOLSと比べ、著しい拡大が起きていないかどうかを検討すべきである。
...途中からほぼ写経になっちゃったけど、PLS回帰から得られる偏回帰係数というのはなんだかよくわからん代物であるということがよくわかった。この論文のおかげで、「PLS回帰を線形回帰モデルの縮小推定量として捉えて偏回帰係数を解釈するのはヤメロヤメロヤメロ」と、かなりの自信をもっていえるようになった...
論文:データ解析(2018-) - 読了:Butler & Denham (2000) PLS回帰の偏回帰係数は奇妙な縮小特性を示す
2020年1月 7日 (火)
Abdi, H., & Valentin, D. (2007) Multiple Correspondence Analysis. In: Salkind (ed.) Encyclopedia of Measurement and Statistics.
多重対応分析を一般化特異値分解で捉えた時、各因子(っていうかなんというか)の寄与は特異値の二乗を割合に直したやつでええんのんか? というのがよくわからなくなり、ネットで拾って大急ぎで目を通したもの。いずれきちんと勉強したいが(特にRのパッケージ間での違いについて知りたい)、とりあえず付け焼刃で...
いわく。
多重対応分析とは...[メモ省略]。名義変数のセットによって記述されたケース集合について分析するときにつかう。
事例...[略]
名義変数の個数を$K$とする。それぞれの変数の水準数を$J_k$、その合計を$J$とする。ケース数を$I$とする。$I \times J$の指標行列を$\mathbf{X}$とする。$\mathbf{X}$の全合計を$N$とする。
まず、確率行列$\mathbf{Z} = N^{-1} \mathbf{X}$を求める[確率行列というのは違和感があるけれど、$\mathbf{X}$を二元クロス表のように捉えているわけね]。
$\mathbf{Z}$の行和ベクトル$\mathbf{r}$, 列和ベクトル$\mathbf{c}$を求める。それぞれを対角に持つ対角行列を$\mathbf{D_c}, \mathbf{D_r}$とする。で、次の特異値分解を行う。
$\mathbf{D_r}^{-1/2} (\mathbf{Z} - \mathbf{rc}^T) \mathbf{D_c}^{-1/2} = \mathbf{P \Delta Q}^T$
でもって、
$\mathbf{F} = \mathbf{D_r}^{-1/2} \mathbf{P \Delta}$
$\mathbf{G} = \mathbf{D_c}^{-1/2} \mathbf{Q \Delta}$
を行スコアと列スコアにする。
[あれ? これであってんの? これって
$\mathbf{Z} - \mathbf{rc}^T = \mathbf{N \Delta M}^T$
$\mathbf{N}^T \mathbf{D_r N} = \mathbf{M}^T \mathbf{D_c M} = \mathbf{I}$
という一般化特異値分解なんじゃない? だったら特異値分解は
$\mathbf{D_r}^{1/2} (\mathbf{Z} - \mathbf{rc}^T) \mathbf{D_c}^{1/2} = \mathbf{P \Delta Q}^T$
なんじゃない? ... きっと私がなにか勘違いしておるのだろう... ]
行と列の、それぞれの重心からのカイ二乗距離は
$\mathbf{d_r} = diag\{\mathbf{FF}^T\}$
$\mathbf{d_c} = diag\{\mathbf{GG}^T\}$
行$i$と因子$l$、列$j$と因子$l$との平方コサイン距離は、$\mathbf{d_r}$の$i$番目の要素を$d^2_{r,i}$, $\mathbf{d_c}$の$j$番目の要素を$d^2_{c,j}$と書くとして、
$o_{i,l} = f^2_{i,l} / d^2_{r,i}$
$o_{j,l} = g^2_{j,l} / d^2_{c,j}$
行$i$の因子$l$に対する、ないし列$j$と因子$l$に対する寄与は、$\mathbf{\Lambda} = \mathbf{\Delta}^2$の$l$番目の要素を$\lambda_l$と書くとして
$t_{i,l} = f^2_{i,l} / \lambda_l$
$t_{j,l} = g^2_{j,l} / \lambda_l$
補足要素を射影するには遷移方程式を使って...[略]
$\mathbf{B} = \mathbf{X}^T \mathbf{X}$ ($J \times J$) をBurt行列という。これが重要な理由はふたつ。(1)Burt行列を対応分析に掛けると$\mathbf{X}$を多重対応分析にかけるのと同じ結果が得られ、かつ計算が簡単。(2)因子のイナーシャは、$\mathbf{X}$の固有値[特異値の二乗のことだろう]よりも$\mathbf{B}$の固有値によってよりよく近似できる。
さて。[このメモにとってはここからが本題である]
指標行列ではある名義変数が複数の列を持つので、人工的な次元が生まれ、実は、固有値が$1/K$以下である因子は人工的次元であることが示されている。
そのため、得られた空間のイナーシャ(つまり分散)はインフレを起こし、第1次元で説明されるイナーシャの割合はすごく過小評価される。これを修正したい。
そこで、まず固有値$\lambda_l$を修正した$c\lambda_l$を求める。もし$\lambda_l \leq 1/K$なら$c\lambda_l=0$, そうでない場合は$\displaystyle c\lambda_l= \left[ \left( \frac{K}{K-1} \right) \left( \lambda_l - \frac{1}{K} \right) \right]^2$とする。
でもって、固有値を固有値の和$\sum_l c\lambda_l$で割る... というのが伝統的な方法なんだけど、こんどはイナーシャの割合が過大評価されてしまう。そこでGreenacre(1993)はこう提案した。固有値の合計で割るのではなく、Burt行列の非対角ブロックの平均イナーシャ
$\displaystyle \bar{\mathscr{i}} = \frac{K}{K-1} \left( \sum_l \lambda^2_l - \frac{J-K}{K^2} \right)$
で割る。[へー]
事例...[略]
論文:データ解析(2018-) - 読了:Abdi & Valentin (2007) 多重対応分析における寄与をどのように求めるか
2020年1月 2日 (木)
きのう何食べた?(16) (モーニング KC)
[a]
よしなが ふみ / 講談社 / 2019-12-23
続 豆腐百珍百番勝負 (コミックエッセイの森)
[a]
花福こざる / イースト・プレス / 2017-09-16
お嬢様のお気に入り (2) (フラワーコミックススペシャル)
[a]
波津 彬子 / 小学館 / 2019-12-10
はたらくすすむ(1) (ヤンマガKCスペシャル)
[a]
安堂 ミキオ / 講談社 / 2019-04-18
はたらくすすむ(2) (ヤンマガKCスペシャル)
[a]
安堂 ミキオ / 講談社 / 2019-11-20
ハナヨメ未満(2) (KCx)
[a]
ウラモト ユウコ / 講談社 / 2016-07-07
ハナヨメ未満(3)<完> (KCx)
[a]
ウラモト ユウコ / 講談社 / 2017-03-07
2019年に読んだのは、だいたいこれで全部かなあ。記録をさぼっていたせいで、抜け漏れがありそうで残念だ。
コミックス(2015-) - 読了:「きのう何食べた?」「続 豆腐百珍 百番勝負」「お嬢様のお気に入り」「はたらくすすむ」「ハナヨメ未満」
真実の終わり
[a]
ミチコ・カクタニ / 集英社 / 2019-06-05
ファシスト的公共性――総力戦体制のメディア学
[a]
佐藤 卓己 / 岩波書店 / 2018-04-05
財政破綻後 危機のシナリオ分析
[a]
/ 日本経済新聞出版社 / 2018-04-19
女たちのテロル
[a]
ブレイディ みかこ / 岩波書店 / 2019-05-31
自民党 価値とリスクのマトリクス
[a]
中島 岳志 / スタンド・ブックス / 2019-05-30
ノンフィクション(2018-) - 読了:「真実の終わり」「ファシスト的公共性 総力戦体制のメディア学」「財政破綻後」「女たちのテロル」「自民党 価値とリスクのマトリクス」
痴愚神礼讃 - ラテン語原典訳 (中公文庫)
[a]
エラスムス / 中央公論新社 / 2014-01-23
この本、別の訳書(ラテン語原典からの初の訳出とのこと)で「なんだかわからんなあ...」と思いながらフガフガと読み始めていたんだけど、ふとしたきっかけで、実はその訳が専門家の目から見るとかなり誤りが多いといわれているらしいと知り、中断して中公文庫版で読み直した。
えーと、訳者あとがきによれば、かの訳書はほとんど全頁に誤訳・誤読が溢れ、無惨・珍妙・不可解・面妖、一読して仰天・当惑・慨嘆、これではエラスムスがあまりに気の毒で、意を決し新訳に取り組んだとのこと。 いやー、豊かな罵倒表現を堪能しました。
(いま検索してようやく気がついたんだけど、この先生に厳しく批判されている旧訳の訳者は、クワイン「ことばと対象」を訳した分析哲学者・大出晁であった。うわぁ。専門外からうかつに手を出してはいかんということか...)
戯れ言の自由
[a]
平田俊子 / 思潮社 / 2015-10-30
ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
[a]
陳 浩基 / 早川書房 / 2019-04-03
フィクション - 読了:「痴愚神礼賛」「ディオゲネス変奏曲」「戯れ言の自由」
論点別 昭和史 戦争への道 (講談社現代新書)
[a]
井上 寿一 / 講談社 / 2019-11-13
私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏
[a]
永江朗 / 太郎次郎社エディタス / 2019-11-25
最近読んだ本の中ではベストワン。出版業界に詳しいジャーナリストとして知られる著者が、近年の書店に溢れたヘイト本をめぐって、作り手・流通・書店を訪ね歩き思い悩む。単純な悪人はいない。あまりに難しい、心が重くなるような話だけど... 平凡な読者としては、たとえ小さな声であっても、抵抗を続けるしかないんでしょうね。
リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書)
[a]
樋口 陽一 / 岩波書店 / 2019-12-20
コケはなぜに美しい (NHK出版新書)
[a]
善隆, 大石 / NHK出版 / 2019-06-11
フィレンツェ――比類なき文化都市の歴史 (岩波新書)
[a]
池上 俊一 / 岩波書店 / 2018-05-23
人生、準備不足で後悔することばかりである。この本にしたって、昨年現地に行く前に読んでおけばどんなに楽しかったか...
ノンフィクション(2018-) - 読了:「私は本屋が好きでした」「フィレンツェ」「リベラル・デモクラシーの現在」「コケはなぜに美しい」
2020年1月 1日 (水)
試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想(上)
[a]
ミュラー,ヤン=ヴェルナー / 岩波書店 / 2019-07-27
試される民主主義 20世紀ヨーロッパの政治思想(下)
[a]
ミュラー,ヤン=ヴェルナー / 岩波書店 / 2019-07-27
秋頃にずーっと読んでいた本。面白かったんだけど、読んだ直後にメモを取っておかないと、忘れてしまう...
ミシェル・フーコー: 自己から脱け出すための哲学 (岩波新書)
[a]
康之, 慎改 / 岩波書店 / 2019-10-19
経済数学入門の入門 (岩波新書)
[a]
田中 久稔 / 岩波書店 / 2018-02-21
ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪 (岩波新書)
[a]
隆一, 金成 / 岩波書店 / 2019-09-21
マキァヴェッリ: 『君主論』をよむ (岩波新書)
[a]
浩輝, 鹿子生 / 岩波書店 / 2019-05-22
ノンフィクション(2018-) - 読了:「マキァヴェッリ」「試される民主主義」「ミシェル・フーコー」「経済数学入門の入門」「ルポ トランプ王国2」
増補 普通の人びと: ホロコーストと第101警察予備大隊 (ちくま学芸文庫 (フ-42-1))
[a]
クリストファー・R・ブラウニング / 筑摩書房 / 2019-05-10
ナチスドイツの警察予備大隊に属する平凡な市民たちが、ポーランドでユダヤ人を大量虐殺するに至るプロセスを描く。人間の暗い謎のみが心に残る...
百代の過客 〈続〉 日記にみる日本人 (講談社学術文庫)
[a]
ドナルド・キーン / 講談社 / 2012-04-11
砂漠の修道院 (平凡社ライブラリー)
[a]
山形 孝夫 / 平凡社 / 1998-01-14
リバタリアニズム-アメリカを揺るがす自由至上主義 (中公新書)
[a]
渡辺 靖 / 中央公論新社 / 2019-01-18
政治の世界 他十篇 (岩波文庫)
[a]
丸山 眞男 / 岩波書店 / 2014-02-15
話の本筋からは離れるんだけど、この本所収の「政治学入門(第一版)」(1949)の冒頭で、丸山がこんな逸話を披露している。一昨年(ってことは1947年頃)、丸山の研究室に大審院の判事が「知人の紹介状」をもって訪ねてきた。いわく、今度の最高裁長官の詮衡にあたり、裁判所内では醜悪な権謀術策が横行している。我々は××派の策動を阻止すべく、政治学専攻のあなたになにか示唆を与えて頂きたい。「大学の政治学の講義ではそういう政治的な術策については教えないのですか」。いや冗談じゃないよ、政治学ってのは政治的駆け引きを教えてるんじゃなくて...と、政治学とはなにかをひとしきり説明したが、あまり素っ気ないような気がしたので、マキャベリの「ディスコルシ」と「君主論」を貸した。(なお解説によれば、この逸話は初代最高裁長官の選出をめぐる紛糾を指していて、丸山のいう「知人」とは少数派を支持していた南原繁ではないか、とのこと)
面白いなあ。敗戦後すぐの段階では、大審院判事のような知識階層のあいだでも、政治学という領域について十分なコンセンサスがなかったということかしらん。こういうエピソードは他の学問分野についても耳にすることが多い。我々が自明視している××学というのも、案外歴史が浅かったりするわけだ。
ノンフィクション(2018-) - 読了:「政治の世界」「リバタリアニズム」「砂漠の修道院」「百代の過客・続」「普通の人々」
寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか 渡辺一夫随筆集
[a]
渡辺 一夫 / 三田産業 / 2019-11-18
いまどき渡辺一夫のエッセイ集が出るの!? 新刊で!?とびっくりして手に取った。版元は「三田産業」(トランスビューの扱い)。調べたところ、もとは神戸にある出版とは無縁な会社だったのだが、社会学の大学院を出た息子さんが後を継ぎ、ひとりで出版事業を始めたのだそうだ(うろ覚えなので、違ってたらすいません)。いまのところこの本のほか、坂口安吾の本を2点出している由。およそ反時代的というか、ドンキホーテ的な取り組みにも見えますが、うまくいくことをお祈りしてます...
テロリストの誕生: イスラム過激派テロの虚像と実像
[a]
憲人, 国末 / 草思社 / 2019-10-21
トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉
[a]
研介, 西岡 / 東洋経済新報社 / 2019-09-20
日本型新自由主義とは何か――占領期改革からアベノミクスまで (岩波現代全書)
[a]
菊池 信輝 / 岩波書店 / 2016-12-22
女のキリスト教史 (ちくま新書)
[a]
節子, 竹下 / 筑摩書房 / 2019-12-06
ノンフィクション(2018-) - 読了:「女のキリスト教史」「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」「日本型新自由主義とはなにか」「トラジャ」「テロリストの誕生」
8月頃以降に読んだ本。2019年はさらに読書量が減少した一年であった。いったいなんのために働いているのか... 本を買うためではないのか。2020年こそは、スマホを眺める代わりに本を読みたい。
フィンランド語は猫の言葉
[a]
稲垣 美晴 / 猫の言葉社 / 2008-04
1981年刊、芸大卒業後フィンランドに留学した若い女性によるユーモア溢れるエッセイ。その後著者は自身の出版社「猫の言葉社」を設立、この本を自分の手で再刊したのだそうだ。実はこれ、自由価格本で手に入れた本だったので、版元のその後がちょっと心配になってしまったんだけど(解散した出版社の在庫が自由価格本として流通することは少なくない)、調べてみたところ健在であるようで、喜ばしい。
日本婚活思想史序説: 戦後日本の「幸せになりたい」
[a]
信, 佐藤 / 東洋経済新報社 / 2019-05-31
数年前、ふとした機会に友人から「婚活」体験の一端を聞かされ、そんな魂を削るような目に遭うことがあるのか... と言葉を失った。その後気になって、現代日本の結婚に関する資料をあれこれめくっていた。
これもその一冊で、若い政治学者による啓蒙的読み物。もう少し深い解説が読めるかと思ったんだけど...
反転する福祉国家: オランダモデルの光と影 (岩波現代文庫)
[a]
治郎, 水島 / 岩波書店 / 2019-01-17
2012年刊、オランダの福祉改革と排外主義の勃興を辿る内容。もう半年近く前に読んだ本なのでメモは書けないんだけど、とても興味深い本であった。とりわけ、反移民を唱える政治家フォルタインの彗星のような登場から暗殺に至るエピソードが印象深い。
芝園団地に住んでいます : 住民の半分が外国人になったとき何が起きるか
[a]
大島 隆 / 明石書店 / 2019-10-04
スターリニズムの経験――市民の手紙・日記・回想録から (岩波現代全書)
[a]
松井 康浩 / 岩波書店 / 2014-02-19
ノンフィクション(2018-) - 読了:「日本婚活思想史序説」「フィンランド語は猫の言葉」「反転する福祉国家」「芝園団地に住んでいます」「スターリニズムの経験」
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