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2006年6月26日 (月)

Bookcover 東京トイボックス 2 (モーニングKC) [a]
うめ / 講談社 / 2006-06-23
とても気に入っていたのだが,2巻分で打ち切りになってしまった。残念。
Bookcover 女子高生 4 新装版 (アクションコミックス) [a]
大島 永遠 / 双葉社 / 2006-01-28
Bookcover 女子高生 5 新装版 (アクションコミックス) [a]
大島 永遠 / 双葉社 / 2006-01-28

Bookcover フルーツ (IKKI COMICS) [a]
木葉 功一 / 小学館 / 2006-05-30

コミックス(-2010) - 読了:06/26まで (C)

Bookcover 日本の個人主義 (ちくま新書) [a]
小田中 直樹 / 筑摩書房 / 2006-06
 大塚久雄に依拠しつつ,個人の自律について考える,という本。
 内容の良し悪しについてはよくわからないし,いずれにせよ勉強にはなったのだが(だいたい大塚久雄なんて読んだこともない),ちょっと後味がわるい。途中で認知科学の話が引き合いに出される箇所が2つあり,どちらも論旨展開上かなり重要な位置を占めていて,しかもどちらもなんだか怪しげなのである。
1) ポスト近代主義者は「日常生活はミクロな権力の網の目のなかに埋め込まれつつその網の目をつくり出しているのであるからして,個人の自律など幻想にすぎない」と主張する(フーコーを引用)。しかし認知科学の知見によれば(ピンカーを引用),脳の生理的な活動が主体性を産むのだそうだ。その主体性が自律的にアイデンティティをつくり出すわけだから,個人の自律という現象は存在するのである。ゆえに大塚久雄は時代遅れではない。云々。
 このくだり,なにがなんだかさっぱりわからない。世間で云うところの「個人の自律」に対応する特定の神経科学的プロセスが実在するとしよう(神経科学が与えてくれるのはそういう知見だ)。しかしそのことと,社会科学を「自律した個人」という概念で基礎づけることが妥当かどうかという問題は,あまり関係がないだろう。いま仮に,世間で云うところの善行を人が施すときその時に限って活性化する「善行細胞」が発見されたとしても,そのことは性善説の証拠にはならない。
 自然科学へのファンタジーを剥ぎ取ってしまえば,この人がいっているのは結局「個人の自律と呼ばれている現象があるから個人の自律という現象が存在する」ということに過ぎないと思う。
2) 反パターナリズム論者やポスト近代主義論者は,大塚のいう他者啓蒙という概念を強く批判する。しかし認知発達の研究によれば(三宮真智子を引用),メタ認知促進の鍵はコミュニケーションにあるのだそうだ。つまり,個人の自律には他者啓蒙が重要なのである。ゆえに大塚久雄は時代遅れではない。云々。
 ここんところ,(1)まず前後の議論との関係がよくわからない。ポスト近代主義者は他者啓蒙に潜む権力性や他者啓蒙の帰結を問題にしたのであって,個人の自律に他者が必要だということを否定したわけではないだろう。(2)さらに,局所的にみてもなんだか変である。ここでは,「個人の自律」が「メタ認知」に,「他者啓蒙」が「メタ認知促進」に重ね合わされているようだが,このアナロジーと「メタ認知促進の鍵はコミュニケーションにある」という知見から引き出される示唆は,「他者啓蒙には他者が必要だ」ということに過ぎないはずだ。
Bookcover 最強ヘッジファンドLTCMの興亡 (日経ビジネス人文庫) [a]
ロジャー ローウェンスタイン / 日本経済新聞社 / 2005-11
他の読みかけの本を放り出し,この二日で一気読み。98年のLTCM破綻についてのドキュメント。大変面白かったのだが,正直,内容の半分も理解できていない。懇切丁寧に説明されているのだが,こっちは想定読者層をはるかに下回る世間知らずなので,スプレッドとかレバレッジとかっていわれても途方に暮れてしまうのである。このまま一生わからんまま過ごすんだろうな,きっと。
 この事件は,数理モデルを信じた学者たちの大失敗,という皮肉めいた論調で紹介されることが多かったと思うのだが,この本によれば,多分にマネジメントの失敗という面があったらしい。ふうん。
 二人いたノーベル経済学賞受賞者のうち,一人は「ブラック・ショールズ・モデル」のショールズ(俺でさえ名前は聞いたことがある。すごい),もう一人はマートンという偉い学者で,この人は知識社会学のR. マートンの息子である由。へー。
Bookcover 東洋文庫ガイドブック 2 [a]
/ 平凡社 / 2006-05-18
こういうのを読んでいると,読みたい本がどんどん増えてきて,困ってしまう。

ノンフィクション(-2010) - 読了:06/26まで (NF)

2006年6月18日 (日)

Bookcover 約束の土地 (創元推理文庫) [a]
リチャード バウカー / 東京創元社 / 1993-07
本棚にあったので読んでみた。探偵青春小説であった (考えてみれば類書の多い分野だ。ドン・ウィンズロウとか)。なかなか面白かった。

フィクション - 読了:06/18まで (F)

Bookcover 黒田悪党たちの中世史 (NHKブックス) [a]
新井 孝重 / NHK出版 / 2005-07-30
なぜか買ってしまった本。ぱらぱらとめくっただけだが,なかなか興味深い箇所もあった。日本史の知識があればもっと面白かっただろう。
Bookcover 社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書) [a]
見田 宗介 / 岩波書店 / 2006-04-20
超えらい先生だけに許される,雲をつかむようなエッセイ。それはそれで面白かったけど,それは俺が門外漢だからであって,専門知としての社会学に通じている人であればあるほど,ちょっと引き気味になっちゃうんじゃないかと思う。

大学院に入り立ての頃,若手の社会心理学者として売り出し中の先輩が,後輩の院生を馬鹿にして,あいつは研究者って柄じゃない,「なにしろ見田宗介も知らねえんだよ」,と呆れて見せたのを思い出す。その人が時折みせる,そういうペダンチックなところが俺は好きだったけれども,しかし今にして思うに,見田宗介を読んでいなくても社会心理学者にはなれるだろう。研究者は自分の研究だけうまくやってれば良いのであって,広範な教養に支えられた深い学識など,ただの幻影に過ぎない。たぶんずっと昔からそうだったのだ。
その先輩はいまや高名な研究者であり,後輩の院生のほうも,大学に安定した職を得て幸せな家庭を築いている。俺はといえば,この年で転職を繰り返したあげく,慣れない単純作業に埋もれる日々である。長い長い夢を見ているような気分だ。

ノンフィクション(-2010) - 読了:06/18まで (NF)

Bookcover 戦後戦記 中内ダイエーと高度経済成長の時代 [a]
佐野 眞一 / 平凡社 / 2006-06-13
ベストセラーになった「カリスマ」の後日譚にあたる本。堤清二との対談が滅法面白かった。

日本近現代史 - 読了:06/18まで (CH)

Bookcover 水精 [a]
花輪 和一 / ぶんか社 / 2006-06-12
逮捕前の作品の復刊。
Bookcover さよなら絶望先生(4) (講談社コミックス) [a]
久米田 康治 / 講談社 / 2006-06-16

Bookcover 女子高生 2 新装版 (アクションコミックス) [a]
大島 永遠 / 双葉社 / 2006-01-12
Bookcover 女子高生 3 新装版 (アクションコミックス) [a]
大島 永遠 / 双葉社 / 2006-01-12

コミックス(-2010) - 読了:06/18まで (C)

2006年6月12日 (月)

Bookcover メディア危機 (NHKブックス) [a]
金子 勝,アンドリュー・デウィット / NHK出版 / 2005-06-30
要約:(1)世の中間違っとる。(2)メディアが悪い。(3)メディアリテラシーを欠いているおまえら大衆も悪い。

ノンフィクション(-2010) - 読了:06/12 (NF)

Bookcover 女子高生 1 新装版 (アクションコミックス) [a]
大島 永遠 / 双葉社 / 2006-01-12
なに読んでんだかなあ。暇なのか俺は。
Bookcover 凪渡り ― 及びその他の短篇 (九竜コミックス) [a]
高浜 寛 / 河出書房新社 / 2006-03-16

コミックス(-2010) - 読了:06/12まで (C)

2006年6月 9日 (金)

Bookcover 大阪ハムレット (1) (ACTION COMICS) [a]
森下 裕美 / 双葉社 / 2006-05-12

コミックス(-2010) - 読了:06/09まで (C)

Bookcover レクサスのジレンマ [a]
金子 浩久 / 学研 / 2005-09-13
仕事の関係で借りて読んだ。車に関心がないどころか,免許さえ持っていない俺には,遠い国の習俗についての話を聞いている気分だ。
Bookcover 問題解決のための「社会技術」―分野を超えた知の協働 (中公新書) [a]
堀井 秀之 / 中央公論新社 / 2004-03
社会技術研究ナントカというのがあって,どーんと予算がついているのだが,その宣伝本であった。ざっとめくっただけ。

ノンフィクション(-2010) - 読了:06/09まで (NF)

Bookcover 吉田茂―尊皇の政治家 (岩波新書 新赤版 (971)) [a]
原 彬久 / 岩波書店 / 2005-10-20
吉田茂は欧米的教養を備え,軍部の専横を嫌っていたけれど,「民主主義政治家であったかどうかは疑わしい」,と宮沢喜一さんが述べている由である。ふうん。

日本近現代史 - 読了:06/09まで (CH)

2006年6月 7日 (水)

Bookcover 800番への旅 (岩波少年文庫) [a]
E.L. カニグズバーグ / 岩波書店 / 2005-08-26
再読。昨年出た改訳版(金原瑞人)。どんな風に変わったのか,みてみたかったので。
聞くところによると,熱心なカニグズバーグファンが一連の旧訳に激怒し,誤訳をリストにして著者に送りつけ,著者を経由して版元を動かしたのだそうだ。たしかに,旧訳にはちょっとどうかと思う部分があったけれども,うーん,なんだかコワイ,自分が訳者の立場だったらと思うと,背筋がぞっとする。
Bookcover となりのこども [a]
岩瀬 成子 / 理論社 / 2004-12
「朝はだんだん見えてくる」の著者の,最近の作品。懐かしい。
この2冊は渋谷の児童書専門店で購入。店内を見回しても特に書いてなかったが,この本屋さん,先日まで勤めていた会社が経営母体なのである。とても良い店であった。書店の経営も大変だと思うが,がんばってほしいものだ。
Bookcover 最後の旋律―87分署シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1787) [a]
エド マクベイン / 早川書房 / 2006-05-15
シリーズ最終作。アイソラの街ともこれでお別れだ。長い間お世話になりました。

フィクション - 読了:06/07まで (F)

Bookcover 監視国家―東ドイツ秘密警察(シュタージ)に引き裂かれた絆 [a]
アナ ファンダー / 白水社 / 2005-10

Bookcover とにかく目立ちたがる人たち (平凡社新書) [a]
矢幡 洋 / 平凡社 / 2006-01-12
ミロンという人(DSM-IVをつくった人だそうな)の人格理論をすごく俗っぽく紹介した本。別に読むことなかった。いったい俺はなにをやっているのだろうか?

ノンフィクション(-2010) - 読了:06/07まで (NF)

Bookcover ナッちゃん 18 (ジャンプコミックスデラックス) [a]
たなか じゅん / 集英社 / 2006-05-02

Bookcover 機動旅団八福神 4巻 (ビームコミックス) [a]
福島 聡 / エンターブレイン / 2006-05-25

Bookcover 愛ある暮らし (Next comics) [a]
耕野 裕子 / 宙出版 / 2006-05-18

コミックス(-2010) - 読了:06/07まで (C)

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