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2007年4月28日 (土)

Bookcover 乾隆帝―その政治の図像学 (文春新書) [a]
中野 美代子 / 文藝春秋 / 2007-04
清朝全盛期の皇帝である乾隆帝は,晩年に「我が国が五百年二十五代に渡って続きますように」と書いているそうである。千代に八千代に,じゃなくて。
 ここんところ仕事に関係した本やら面倒な本やらを読んでいるもので,昼休みにわざわざノーパソ持ってコーヒーショップに行っても,ついつい気楽な新書をめくって時間を過ごしてしまう。ダメだなあ。

ノンフィクション(-2010) - 読了:04/28まで (NF)

入江喜和「杯気分! 肴姫」(1)(2)(3)。このblogの書影や書誌情報はamazonから引っ張ってきているので,この3冊は表示できない。
 入江喜和さんは,名もない市民の哀歓を描かせたらピカイチのマンガ家で,「のんちゃんのり弁」で主人公のバツイチ女性が小料理屋を辞めるくだりなど,何度読んでも感心する。最近はすっかり寡作になってしまい,残念でならない。
 このマンガはたしか著者の初連載作。単行本はとっくに絶版で,ながらく古本屋とオークションを探し回っていたのだが,このたびオンデマンド版で復刊された。販売元のコンテンツワークス社は,講談社と小学館が共同で立ち上げた会社だと思う。面白いもので,奥付にある発行所は講談社のままである。なるほど,版権は移動していないんですね。
 読みたかった本をようやく手に入れることができて嬉しいし,こういう復刊サービスがあるのは素晴らしいとは思うけれど,一冊1000円近くするのは,ちょっと複雑な気分である。暇な大人向けの新商売にひっかかってしまった,という気がしないでもない。うーむ。
Bookcover 私家版魚類図譜 (KCデラックス モーニング) [a]
諸星 大二郎 / 講談社 / 2007-03-23

Bookcover コーヒーもう一杯 III (3) [a]
山川 直人 / エンターブレイン(角川GP) / 2007-04-25

Bookcover EDEN(16) (アフタヌーンKC) [a]
遠藤 浩輝 / 講談社 / 2007-04-23

Bookcover カラスヤサトシ(2) (アフタヌーンKC) [a]
カラスヤ サトシ / 講談社 / 2007-04-23

Bookcover インド夫婦茶碗 (9) (ぶんか社コミックス) [a]
流水 りんこ / ぶんか社 / 2007-04-30

コミックス(-2010) - 読了:04/28まで (C)

2007年4月20日 (金)

Bookcover 風の影〈上〉 (集英社文庫) [a]
カルロス・ルイス サフォン / 集英社 / 2006-07
Bookcover 風の影〈下〉 (集英社文庫) [a]
カルロス・ルイス サフォン / 集英社 / 2006-07
50年代バルセロナを舞台にしたミステリ。なかなか面白かった。
Bookcover 村上かるた うさぎおいしーフランス人 [a]
村上 春樹 / 文藝春秋 / 2007-03
まったくもう。。。

フィクション - 読了:04/20まで (F)

Bookcover 自省録 (岩波文庫) [a]
マルクスアウレーリウス / 岩波書店 / 2007-02-16
古代ローマの皇帝が,自分に向けて書いた覚え書き。
 そもそも言葉の意味さえよくわからない部分があるので(指導理性ってなによ?),内容をよく理解したとはいえないのだが,それでも時折,はっとさせられるような断章がある。時代も文化も立場もこれほどまでにかけ離れた人なのに,なにか胸打たれるものを感じるのだから,全く不思議なものだ。
 「健全な眼は,なんでも見える物を見るべきであって,『私は緑色のものが見たい』などというべきではない。これは眼を病む者のいうことだ。同様に健全な聴覚と嗅覚は,聴きうべき,また嗅ぎうべきあらゆるものにたいして用意がなくてはならない。[...] さらにまた健全な精神もあらゆる出来事にたいして用意がなくてはならない。ところが『私の子供たちが助かりますように』とか『私がなにをしようとも皆の者に賞賛されますように』などという精神は緑色のものを要求する眼であり,柔らかいものを要求する歯である。」

ノンフィクション(-2010) - 読了:04/20まで (NF)

Bookcover 表舞台 裏舞台──福本邦雄回顧録 [a]
福本 邦雄 / 講談社 / 2007-04-10
戦後政治の聞き書きシリーズ。福本邦雄という人は岸内閣で官房長官の秘書官,その後長く政界のフィクサーと呼ばれたひとだそうだ。なんと,「福本イズム」で知られる戦前の共産党指導者・福本和夫の息子なんだそうである。ひえー。
 これでもかというくらいにどろどろとした話が淡々と語られていて,俺のような素人にも面白く読めた。

日本近現代史 - 読了:04/20まで (CH)

Bookcover 極道めし 1 (アクションコミックス) [a]
土山 しげる / 双葉社 / 2007-02-10
刑務所の雑居房で,男たちが「かつて食った旨い飯」自慢話を競う,という設定。アイデアが素晴らしい!
Bookcover 鈴木先生 2 (アクションコミックス) [a]
武富 健治 / 双葉社 / 2007-02-28
きっと面白がる人がいるだろうし,その気持ちもわかるけど,俺にはこのマンガ,体質的にあわない。とにかく奇妙なマンガ。
Bookcover チナミの風景 (IKKI COMICS) [a]
野本 明照 / 小学館 / 2007-03-30
松本大洋を子供向けにしたような絵柄で,筋は死ぬほど甘ったるい。
Bookcover Sink 1 (バンブー・コミックス) [a]
いがらし みきお / 竹書房 / 2002-04
Bookcover Sink 2 (バンブー・コミックス) [a]
いがらし みきお / 竹書房 / 2004-12-18

コミックス(-2010) - 読了:04/20まで (C)

2007年4月 9日 (月)

Bookcover 統計的因果推論―回帰分析の新しい枠組み (シリーズ・予測と発見の科学) [a]
宮川 雅巳 / 朝倉書店 / 2004-04
こういう技術的な専門書を指して読了というのも変なものだし,そもそも全て読み込めたわけではないんだけれども,ここのところしばらく,この本とEdwardsの本に没頭していたので,記念に記録しておく。
 統計データから因果関係を分析する,という問題について正面から述べた本。正直言って,最初の数章で膝を打ちまくり,以降の数章で目から鱗がぽろぽろと落ちる,という案配であった。不勉強を恥じなければならないが,これまでは「この独立変数は従属変数の原因にちがいないし,独立変数間の相関も低いから,偏回帰係数は因果的影響の強さを表すと言って良いでしょう」,などと間抜けなことを口走っていたのである。私が間違っていました。原因か否かという定性的判断と,因果的影響の強さの定量的把握とは,なるほど別の話なのだ。
 基本的に数学の専門書であるから,途中でどうしても理解できない箇所があり,なんともつらい。バックドア基準をめぐる議論なども,理解できたとは言い難い。それでも,回帰モデル構築に際して有向独立グラフが強力な武器になる,という点は胸に染みた。共変量の選び方について,はじめて明確な指針を得た思いである。
 ああ,俺のこの感銘など,専門の人から見たら児戯に等しいものであろう。この数学音痴が,勤務先ではなぜか解析の専門家を気取っているのである。切なくて涙がでてきちゃいますね。

データ解析 - 読了:04/09まで (D)

Bookcover 行きずりの街 (新潮文庫) [a]
志水 辰夫 / 新潮社 / 1994-01-28
帰りの電車で読了。91年発表の旧作なのだが,なぜかいま書店に平積みになっている。なんでも文庫の帯に「このミステリーがすごい 第一位!」と書いたら,とたんに売れ出したそうである(たしかに91年の「このミス」一位なのである)。面白いなあ。
 塾講師を主人公にしたハードボイルド。シミタツ先生絶好調の時期の作であるからして,それはもう,頁をめくる手を止めさせない小説である。
 とはいえ,作中のヒロイン(主人公の元女房)は忍耐と包容の美しき賢女という,男にとって都合の良い存在で,そのへんのところ女性の読者は白けるかもしれないと思った。

フィクション - 読了:04/09まで (F)

Bookcover 御緩漫玉日記 3巻 (Beam comix) [a]
桜 玉吉 / エンターブレイン / 2007-04-05
この人の鬱マンガは,もう芸の域を少し超えてしまっていて,人の病気を娯楽として消費しているような,つらい気分になってしまう。早く健康になって復帰してもらいたいものだ。
Bookcover 鈴木先生 (1) (ACTION COMICS) [a]
武富 健治 / 双葉社 / 2006-08-11
これ,面白い。。。のかなあ? 俺にはよくわからない。

コミックス(-2010) - 読了:04/09まで (C)

2007年4月 3日 (火)

Bookcover 死に至る会社の病―ワンマン経営と企業統治 (集英社新書) [a]
大塚 将司 / 集英社 / 2007-03
頑張って勉強して書きました,という感じの本。ぱらぱらめくっただけだけど,読了にしちゃおう。

ノンフィクション(-2010) - 読了:04/03まで (NF)

Bookcover カラスヤサトシ (アフタヌーンKC) [a]
カラスヤ サトシ / 講談社 / 2006-08-23

コミックス(-2010) - 読了:04/03まで (C)

2007年4月 1日 (日)

Bookcover 身元不明者89号 (創元推理文庫) [a]
エルモア レナード / 東京創元社 / 2007-03
海外ミステリはもう読まないことにしたのだが,レナード先生の初訳作品ならば仕方がない。電車で読了。1977年の作品で,この作家としてはちょっと落ちるが,やっぱり面白い。

フィクション - 読了:04/01 (F)

Bookcover 外交激変元外務省事務次官柳井俊二 (90年代の証言) [a]
五百旗頭 真,伊藤 元重,薬師寺 克行 / 朝日新聞社 / 2007-03-07
90年代偉い人インタビューの第三弾。外務省の偉い人というのはこういう風に考えるのか,とあれこれ感心した。
 湾岸戦争のときに自衛隊を海外派遣しようという法案をつくったのだが(結局廃案になった),外務省のなかでも事務次官(栗山尚一)が強硬に反対し,ハト派の政治家が妥協してもこの人は一向に折れないもので,朝まで議論になったそうだ。この栗山さんという人は,最近首相の靖国参拝を批判して,売国奴呼ばわりされている人である。一言で官僚といっても,いろいろな人がいるものだ。

日本近現代史 - 読了:04/01 (NF)

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