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2012年4月 4日 (水)
逃亡のガルヴェストン (ハヤカワ・ミステリ)
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ニック・ピゾラット,東野 さやか / 早川書房 / 2011-05-09
久々に海外小説に手を出してしまった。
気晴らしのつもりであまり期待せずに読みはじめ,おお,これはクライムノヴェルとして始まり人情話として終えるという趣向か... などと気楽にフガフガとめくっていたのだが,読み終えてからはじめて,これは案外な傑作であると感心した。ラストに至って読み手の心を動かす小説である。
この小説にはちょっと仕掛けがあって,中盤でいきなり時間をずらし,ある意味で筋を割ってしまう。かなりな賭けだと思うのだが,実にうまく働いている。こういうの,いったいどうやって思いつくんだろう,としばらく考え込んだ。
フィクション - 読了:「逃亡のガルヴェストン」