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2015年6月 3日 (水)
三菱総合研究所(2015) 平成26年度『教育改革の総合的推進に関する調査研究 〜教育の総合的効果に関する定量的分析〜』報告書. 三菱総合研究所, 2015.3.
文科省の委託研究。仕事のあいまに読んだ。自分の仕事とはぜっんぜん関係ないわけで、ま、趣味としかいいようがない。
前半は先行研究レビューというか、いくつかの先行研究についての詳細な要約。後半は定量調査。国の受託だから住基台帳ベースの郵送調査かなんかやるのかと思いきや、ネット調査を一発掛けて、中三のときの成績とか現職業とかを訊く。SEMをやるのかと思いきや、重回帰やロジスティック回帰を山ほど走らせステップワイズ変数選択...なんというかその、オーソドックスっていうんですか? そういう分析であった。
そんなこんなで、文科系科目の成績が1ポイント上昇すると、年あたり約2000円の税収増加が期待できます、非認知能力(部活やってましたか、とかいうの)が1段階上昇すると子どもが0.02人増えます、とか、なんとか。
なにごとか偉そうなことを申し上げるつもりはさらさらないですし、すぐに納税者づらするのも好きじゃないんだけど、国はこの委託においくら万円をお支払いになられたのかしら、というところにちょっと関心を惹かれました。(→せっかくなので調達情報を調べてみたら、934万円であった)
前半の文献紹介からメモ:
- ミンサー型賃金関数について、川口「ミンサー型賃金関数の日本の労働市場への適用」(2011, RIETI Discussion Paper)というのを読むといいらしい。
- 小原・大竹「子どもの教育成果の決定要因」(2009, 日本労働研究雑誌): 全国学力テストと新生児体重との相関をみているらしい(もちろん個票ではなくて、県別らしいけど)。面白そう。
- Hanushsek "Do better schools lead to more growth?" (2009, NBER Working Paper): 学生の認知能力とGDPの関連。なにを使っているんだろう? PISAかなあ?
論文:教育 - 読了:三菱総研 (2015) 教育の投資効果