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2015年8月13日 (木)
福元圭太 (2013) フェヒナーにおける光明観と暗黒観の相克:グスタフ・テオドール・フェヒナーとその系譜(5). かいろす, 51, 18-39.
心理学の教科書に必ず出てくるえらい人、精神物理学の父、そして19世紀ドイツの壮大な哲学者というか変人というかなんというか... かのグスタフ・フェヒナーの著作を丹念にたどる、九大のドイツ文学の先生による評伝連作、その第五弾。どうやら、2009年から年一本のペースで書き続けておられた模様(第三弾まで, 第四弾)。楽しみに拝読しております。
すでに古稀を迎えたフェヒナー先生、静かな老後をお送りかと思いきや、なぜか二十歳そこそこの学生と仲良くなり、自らの思想を俯瞰する著書「光明観と暗黒観の相克」の執筆に着手しちゃうのである。なおこの学生はジークフリート・リピナーという人、のちに作曲家マーラーの友達になるんだけど、マーラーの結婚相手に嫌われて絶交する羽目になるんだそうです。なに? それって映画「ベニスに死す」に出てくる主人公の友達?と早とちりしたんだけど、wikipediaによればあの友達のモデルは作曲家のシェーンベルクだそうです。ははは。
で、肝心の著書「光明観と暗黒観の相克」の中身ですが... うーん。汎神論思想ってんですかね。世界のあらゆるものが神の息吹だ、的な? 肉体は滅びても魂は不滅だ、みたいな? とにかくそういう本なんだそうです。何がすごいといって、この本をわざわざ探してきて読んだという著者の先生がすごい。ドイツ文学者おそるべし。
フェヒナー先生もいよいよ晩年を迎えましたが、この大河評伝シリーズはまだ続く由。第六弾が楽しみだ。
論文:その他 - 読了:福元 (2013) フェヒナー先生とその時代・晩年編