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2015年9月 8日 (火)

Ottaviani, M. (2009) The design of idea markets: An economist's perspective. Journal of Prediction Markets, 3(1), 41-44.
 ええと、この雑誌のこの号は「予測市場の企業における応用」特集で、その一本がSpears, LaComb, Interrante, Barnett, & Senturk-Dogonaksoy (2009) という論文。2007年のGEアイデア市場の論文があるけど、その詳細分析らしい。で、これは当該論文に対する3pの短いコメント。
 要するに、GEアイデア市場は普通の市場と違って(1)ペイオフがアイデアの質についての事後情報とリンクしてないから美人投票になっちゃうはずだし(2)アイデア発案者が取引できるからインサイダー取引や価格操作がし放題だ、これではいかんよ君。というコメントであった。
 対策は、(1)についてはペイオフをなんらかの事後情報とリンクさせる。専門家とか二重市場とか(Miller,Resnick,Zackhauser(2005 MgmtSci)というのが挙げられている)。(2)については、ポートフォリオ評価をインセンティブと連動させる、アイデア発案者の取引を禁止する。
 ううむ。正論ではある。LaCombらとしては実証データで対抗したいところだろうが、そうそう実験できるものでもないのがつらいところだ。

論文:予測市場 - 読了:Ottaviani (2009) 経済学者からみたアイデア市場批判

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