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2016年5月23日 (月)
階級都市―格差が街を侵食する (ちくま新書)
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橋本 健二 / 筑摩書房 / 2011-12-01
興味深い本であった。いくつかメモ:
- 近年の経済的格差拡大の問題にいちはやく気づいていたのは都市問題を研究している人たちで、その代表例がサスキア・サッセンと、マニュエル・カステルという人なのだそうだ。カステルって人の本、面白そうだ、読んでみたい。
- 1925年の「婦人公論」の「塵芥掃溜場から観た新東京」という記事によれば、山の手のゴミには無駄がない。ミカンの薄皮はあっても表皮はない(乾かして蚊をいぶすのに使うから)。いっぽう古い下町のゴミをみると、まずいミカンは食べ残して捨ててある。新しい下町のゴミをみると、ミカンは表皮しかない(薄皮も食べてしまうから)。なお、ここでいう山の手とはプチブル層の住む世田谷・杉並など、古い下町とは日本橋・京橋などの商業地域、そして新しい下町とは本所・深川などの工業地域のこと。現在の「下町」イメージは70年代後半に形成されたものにすぎない。
もっとも、著者の先生には申し訳ないけど、後半の東京フィールドワークで関心を失い、パラパラと流し読みで済ませてしまった。なんというか、東京歴史散歩というような話には全く関心が持てないのである。いずこもいったん全部取り壊して更地にし、同じ規格の集合住宅で埋め尽くしちゃえばいいのに、と思うことさえある。東京に対する反発かもしれないし、もともと地元といえるような場所を持ち合わせていないせいかもしれない。
人はなぜ宗教を必要とするのか (ちくま新書)
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阿満 利麿 / 筑摩書房 / 1999-11
現代人は無宗教じゃもう保たないじゃないかという問題意識を前提に、じゃあどうしたらいいのか考えようという本。具体的には、もちろん仏教の話。
テロルと映画 - スペクタクルとしての暴力 (中公新書)
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四方田 犬彦 / 中央公論新社 / 2015-06-25
鎌倉幕府と朝廷〈シリーズ日本中世史 2〉 (岩波新書)
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近藤 成一 / 岩波書店 / 2016-03-19
ガルブレイス――アメリカ資本主義との格闘 (岩波新書)
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伊東 光晴 / 岩波書店 / 2016-03-19
経済学の本を読んでいるととたんに眠くなる。5分で爆睡できる。でもなぜかわからないが、制度学派ってんだろうか、ヴェブレンとかガルブレイスとか、(ちょっと違うのかもしれないけど)取引コストとか、そういうのだけはすごく面白く感じる。個人的性向の問題なのだけど、いったいなぜこうなっちゃったんだろうか、よくわからない。
寛容論 (中公文庫)
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ヴォルテール / 中央公論新社 / 2011-01-22
ノンフィクション(2011-) - 読了:「階級都市」「人はなぜ宗教を必要とするのか」「テロルと映画」「鎌倉幕府」「ガルブレイス」「寛容論」