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2016年6月27日 (月)

Smith, T.W. (2003) Developing comparable questions in cross-national surveys. in Harkness, J.A., van de Vijver, F.J.R., Mohler, P.P. (eds.) "Cross-Cultural Survey Methods", Wiley.
 先に読んだHarkness, et.al (2010)で引用されていた文献。多国間調査の調査票をどうやって国間で比較可能にするかという話。ざーっと目を通しただけだけど、いやー、ほんとに眠かった...

 前半は設問のワーディングとかの話で、せめて3設問の多重指標にしておいたほうがいいよとか、尺度項目の尺度をどうするかとか。後半は回答に影響する諸要因の話で、社会的望ましさ、yea-saying、極端反応、"no opinion"とDK、中間反応、選択肢の順序の効果、設問の順序の効果、調査モードの効果。最後に調査票作成の手順の話がまとめられていた。正直、眠すぎて目が活字をつつつーっと滑っていくような感じ。
 
 まあいいや。前半の尺度項目の話のみメモ。どうやって国際比較するか。
 まず、ノンバーバル・スケール(段階に言葉が付与されていないスケール)のほうが国際比較しやすいという説があるけど、(1)数値的尺度は回答が難しいことが多い。(2)数値的尺度であれ回答にお国柄は出る。(3)たいていの社会にはラッキーナンバーやアンラッキーナンバーがある。(4)どのみちスケールの意味は言葉で説明しないといけない(like-dislikeですよ、とか)。数字の振り方で回答が変わってくる。以上、視覚的スケールでも同じこと。
 いっそ2件法で訊いちゃえ説について。もちろん、回答の比較は難しい(たとえばguilty-not guiltyだって国によって定義が全然ちがう)。それに精度が失われる。
 回答をキャリブレーションしましょう説について。3つの路線がある:(1)項目をランキングさせる。精度が失われる。(2)各項目を10~21件法で直接評定。こんだけ多くしときゃ間隔尺度になるだろうという発想である。(3)マグニチュード測定する。訊くのも答えるのも難しい。というわけで(2)が一般的。[どうもよくわからない。(2)は結局、国ごとに回答データをなんらか標準化して分布を揃えるという話なの? それとも生の回答をそのまま比較するの?それに、10~21件法尺度なら間隔尺度扱いできるけどそれ以下だとだめ、っていうのはほんとなの? 大昔のJacobyの実験を信じれば、7件法だろうが21件法だろうが個人レベルでの使用段階数は大差ないんじゃない?]

 。。。だめだ、今日は何を読んでも頭に入らない日みたいだ。あきらめよう。

論文:調査方法論 - 読了:Smith (2003) 多国間調査で国間比較可能な調査設問を作る方法

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