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2017年9月13日 (水)
Rの辛いところはパッケージがいっぱいありすぎるところだ。このたび空間統計のパッケージについて調べていてほとほと困惑したので、空間データ分析のCran Task View (2017/05/09)の、Geostatisticsの項についてメモしておく。100%自分用の覚え書きです。
[2018/06/18追記: 2018/06/02版のTask Viewに従って更新した]
- gstat: 単変量・多変量の空間統計の関数。大データにも対応。
- geoR, geoRglm: モデル・ベース空間統計の関数。
- vardiag: バリオグラムの診断。
- automap: gstatを使って自動的に補完。
- intamap: 自動補完手続き。
- pspg: projected sparse Gaussian process kriging. [2018/06/02版からは消えている]
- fields: 上記と同様に、幅広い関数を提要。
- spatial: base Rと同梱。
- spBayes: 単変量・多変量のガウシアンモデルをMCMCで。
- ramps: ベイジアンの空間統計モデリング。
- geospt: 空間統計の関数やradial basisの関数。予測とCV, 最適空間サンプリングネットワークの設計の関数を含む。
- spsann: 空間的シミュレーテッド・アニーリングで標本の配置を最適化する。[2018/06/02版に新登場しているのを発見]
- geostatsp: RastオブジェクトやSpatialPointsオブジェクトを使った空間統計モデリング。非ガウシアンのモデルはINLAで、ガウシアンのモデルはMLで推定。
- FRK: 大データセットのための空間・時空間モデリングと予測。共分散関数をn個の基底関数に分解する。
- RandomFields: 確率場の分析とシミュレーション。バリオグラム・モデルをgeoR, gstatとやり取りできる。
- SpatialExtremes: RandomFieldsを使った空間的極値モデリング。
- CompRandFld, constrainedKriging, geospt: 空間統計モデリングへのその他のアプローチ。[投げやりな説明をありがとう]
- spTimer: ベイジアン・ガウシアン過程モデルとか、ベイジアン自己回帰モデルとか、ベイジアン・ガウシアン予測過程モデルとかをつかって、巨大な時空間データについてフィットしたり予測したりできる。
- rtop: runoff related dataとかadministrative unitsからのデータといったirregularな空間サポートを伴うデータについての空間統計的補完。
- georob: 誤差に空間的相関がある線形モデルをロバストかつガウシアン制約付きMLでフィッティングしたり、customaryポイントやブロックのクリギング予測を与えたり、対数変換したデータのクリギング予測をもとに戻す不変な変換をしたり、CVしたりする関数を提供。
- SpatialTools: クリギングに重点を置いたパッケージ。予測・シミュレーションの関数を提供。
- ExceedanceTools: SpatialToolsを拡張。exceedance regionsのconfidence regions(?)や等高線をつくる。
- gear: SpatialToolのリブート版に近い。クリーンでストレートで効率的な手法を提供。[そういわれると心惹かれますね]
- sperrorest: 空間誤差推定、いろんな空間CVや空間ブロック・ブートストラップを使ったパーミュテーションベースの空間変数重要性。
- spm: 空間統計と機械学習のハイブリッドで空間的予測モデリング。
- sgeostat: [紹介文がないぞ...]
- deldir, tripack: sgeostatと同じ一般的な問題領域についてのパッケージ。
- akima: スプライン補完。
- MBA: マルチレベルBスプラインで散布データを補完。
- spatialCovariance: 矩形データについての空間共分散行列の計算。
- regress: spatialCovarianceパッケージ, tgpパッケージの一部 [2018/06/02版に登場しているのを発見。regress自体は共分散行列が線形に指定されているときのガウシアン線形モデルで、空間とは別に関係なさそう]
- Stem: 時空間モデルをEMアルゴリズムで推定, パラメータの標準誤差を時空間パラメトリック・ブートストラップで推定。
- FieldSim: 確率場シミュレーション。
- SSN: stream ネットワークのデータの空間統計モデリング。移動平均でモデルを作る。共変量つきの空間線形モデルをMLやREMLで推定できる。視覚化機能もある。
- ipdw: georeferenced point dataをInverse Path Distance Weightingで補完。沿岸海洋環境みたいにランドスケープ上のバリアのせいでユークリッド距離による補完ができないときに有用。
- RSurvey: 空間的に分散したデータを処理したり、エラーを直したり視覚化したりするのに便利かも。
あーもう。これがSAS/STATなら, VARIOGRAM, KRIGE2D, SIM2D, SPPの4択なのに。勘弁してよ、もう!
雑記:データ解析 - Rの空間統計パッケージ