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2020年4月 1日 (水)
実にどうでもいい話ですが... すいませんこれは私による私のためのメモです。
年明けに、音楽学者・磯山雅の「マタイ受難曲」という本を読んだのがきっかけで、妙にバッハのマタイ受難曲にはまってしまい、仕事しながらずーっと聴いていた。ついには柄にもなく、たまたまみつけたコンサートのチケットまで取ってしまったのだが(クラシックのコンサートなんてどれだけプチブルなのかとびびりつつ)、そこでコロナ禍が来襲し、コンサートはあえなく中止、のみならず自宅から出られないという事態に陥った。
残念だなあ、とぼんやりyoutubeを眺めていたら、全編演奏の動画が結構あるので驚いた。ひとが口あけて歌っているのをみてなにが楽しいのかと思いますが、これが妙に楽しいんですね。冴えない感じのおっさんが天使のような歌声の持ち主だったりして。
というわけで、youtube上でみつかった、バッハ「マタイ受難曲」の全編演奏の動画を挙げておく(音楽のみで画像は静止画、というのは除外)。正確な演奏年はわからないのが多いんだけど、だいたい新しそうなのから順に。
いきなり再生回数の少ないやつから始まるけど、マレーシア・バッハ・フェスティバル・オーケストラ、David Chin指揮。2019年の演奏らしい。英語と中国語字幕付きというちょっと珍しいライブ動画である。1曲目の合唱の出だし、日本語で「来なさい娘たち、ともに嘆きましょう」は「来吧、女兒們、来興我們哀悼」なのだそうです。
オランダバッハ協会、指揮はヨス・ファン・フェルトホーフェン、福音書記者はベンジャミン・ヒューレットというイケメン。2019年投稿だから、2018-2019年ごろのライブであろう。映像としていちばん見ごたえがあるのはこの動画だと思う。ネットでの発信に力をいれているようで、他にもいろいろ説明が充実してそうだ。
コンセルトヘボウ室内管弦楽団, 指揮ヘイス・レーナース, 福音書記者Mikael Stenbaek, 2018年。
Bach Collegium at Saint Peter's, 指揮はオルガン弾いているBalint Karosiさんという人、福音書記者Gene Stenger, 歌詞は英語訳, 2018年。これはライブコンサートというよりも、ニューヨーク市Saint Peter's Churchの礼拝での演奏らしい。なので、3時間近くかかった演奏が終わると、会衆は拍手するどころか全員起立、お祈りと聖歌合唱である。へえええええ、こういう文脈で演奏されることもあるのか。これはちょっと貴重な映像であった。
Hofkapelle Munchenってかいてあるんだけど、ホーフカプレ?ってどういう意味なの? 指揮はChristian Fliegnerって人、福音書記者はBenjamin Glaubitzというお兄さん。世の中は広いもので、バッハの演奏を片っ端から調べてデータベースにしてくださっている奇特な方がいらして、それによれば2017年演奏だそうです。
イングリッシュ・バロック・ソロイスツ, 指揮はジョン・エリオット・ガーディナー。おそらく2016年ごろの演奏。福音書記者はマーク・パドモアという、他の動画にも出現するひげのおっさんで、音楽の素養もドイツ語の知識も全くない私だが、このおっさんの謎の説得力にはびびってしまう。この人が新聞の勧誘に来たら取っちゃうかも。
Verbier Festival Chamber Orchestra, Thomas Quasthoff指揮, 2015年。ヴェルビエってのはスイスのリゾート地らしい。指揮者が椅子に座ってるんでどうしたのかと思ったら、この方はもともとサリドマイド薬害で障害をもっていて、かつては有名な声楽家だったんだけど引退したんだそうな。福音書記者は... おっと、またマーク・パドモアだ。
説明がロシア語なのでさっぱりわかんないんだけど、機械翻訳によれば、「バッハ・アンサンブル」の演奏で、指揮はヘルムート・リリング。福音書記者のメガネのおっさんはローター・オディニウスという人かしらん? 2014年。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, 指揮はイヴァン・フィッシャー、福音書記者はまたもマーク・パドモアさん、2012年。DVDやBlu-rayにもなっているらしい。このメモをとるために各動画の1曲目だけをそれぞれぼーっと聞いてたんだけど、この演奏にはすっかり引き込まれてしまい、2曲目、3曲目と進んで途中で止めようにもなかなか止められない、という感じであった。
コレギウム・ヴォカーレ・ゲント, 指揮はフィリップ・ヘレヴェッヘ, 福音書記者はクリストフ・プレガルディエンというおっさん。画面左上に「3sat」と書いているのを手掛かりに探したところ、どうやら2010年の演奏らしい。英語の字幕付き。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, 指揮サイモン・ラトル, 2010年。これはピーター・セラーズの謎の演出がついていて(いやいや、「博士の異常な愛情」のあのコメディアンじゃなくて。有名な演出家らしい)、合唱隊が歌いながらなんだかよくわからない芝居をする模様。忙しそうだなあ。16本にも分割されているので全部はみてないんだけど、2曲目にやおら立ち上がって歌い出す丸刈りの福音書記者は、なんと!マーク・パドモア兄貴じゃありませんか。
(2020/04/10追記: 調べてみたところ、DVDやBDも出てるし、ベルリンフィルのWebサイト(なんと日本語版がある)で金を払えばネットで見ることができる(なんと日本語字幕付き)。なんという商売上手。さらに、ただいま新型肺炎のため期間限定で観放題。なんという太っ腹。というわけで、さっそくサブディスプレイで流し始めたんだけど、あまりに斬新なステージでびびってしまい、仕事どころではなくなってしまった。困った。イエスに香油を注ぎに来た女が福音書記者とハグしてたよ...どうしたらいいんだ...)
アムステルダム・バロック管弦楽団, トン・コープマン指揮。2005年、2日に分けてやった模様。英語字幕付き。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、指揮はゲオルク・クリストフ・ビラー、福音書記者はマルティン・ペッツォルトという人、1998年。音質がちょっと悪いかな?
サイトウ・キネン・オーケストラ、小澤征爾指揮, 福音書記者ジョン・マーク・エインズリー、1997年。ありがたいことに日本語字幕付きである。
ブランデンブルク・コンソート, スティーヴン・クレオバリー指揮, 福音書記者はRogers Covey-Crumpという人。1994年。
ミュンヘン・バッハ・コレギウム, エノッホ・ツー・グッテンベルク指揮。福音書記者はクレス=ホーカン・アーンショーという人。2015年投稿だがかなり古い演奏だと思う。→1990年の演奏とのこと。
よくわかんないけど、指揮はニコラウス・アーノンクールらしい。1985年。残念ながら音質も画質もよくない。
ミュンヘン・バッハ管弦楽団、カール・リヒター指揮、1971年。すごい、こんな映像があるんですね。英語字幕つき。調べてみたら、どうやらDVDになっている模様。
というわけで、この危機的事態がいつまで続くのかわからないが、バッハの長い曲など聞きつつ、なすべきことをなし、事態が収束するか自分も感染して死ぬのを待つことにしよう。
雑記 - youtubeでみられる「マタイ受難曲」