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2005年3月30日 (水)

Bookcover 学力低下と新指導要領 (岩波ブックレット) [a]
/ 岩波書店 / 2001-06-20
昨夜の酒のせいか,早朝に目が覚めてしまったので,朝風呂に浸かりつつ読了。
西村和雄・戸瀬伸之(経済学),上野健爾・浪川幸彦(数学),和田秀樹のそれぞれが持ち寄った短文の集成で,上からみた学力低下論のマニフェストみたいなもの。(1)とにかく学力が下がっているぞ,(2)新指導要領における内容削減をどうにかしろ,という非常にシンプルな主旨。
もう不思議で不思議でしょうがないのだが,学力が下がったのがゆとり教育のせいだという証拠はいったいどこにあるんだか。どうでもいいけど。
なんだか文章の質にばらつきがあるような気がするのだが,上野健爾という先生の書いた部分は面白い。この人は総合学習自体は評価していて,実現するだけのリソースが現場に与えられていないことのほうを批判している(そんなのは特攻隊精神である由。なるほど)。内容削減についても,それ自体を非難するというよりは,削減の非体系性とその決定プロセスの密室性を問題にしているようだ。筋が通っているなあ。

心理・教育 - 読了:03/30

2005年3月28日 (月)

Bookcover 「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット) [a]
佐藤 学 / 岩波書店 / 2000-12-20
南大沢行きの電車で一気読み。
子どもたちが勉強から逃走するのは東アジア型近代化が終焉したからだ。さらに,ゆとり教育における内容削減が学習の螺旋構造を崩している。勉強から学びへの転換が必要だ,そのためには(1)活動的 (2)協同的 (3)対話的な学びを実現せよ。
ブックレットなので改革案のほうはよくわからんのだが,高度な内容を削減すると基礎学習も駄目になる,というのは重要な指摘だと思った。さて,その証拠はあるのかしらん。難しい課題に取り組んだおかげで基礎がようやく身に付きました,というようなことはたしかにありそうだが,それは手に負えない課題に無理矢理取り組んだから起きることであって,その無理矢理さを可能にする諸条件の分析が大事だろう。とにかく内容削減すんな,というのはそれはそれで的はずれなのではないか。そこんところは心理学の出番だと思うのだけど,うーん,書いてるうちになんだかどうでもいいような気がしてきた。

心理・教育 - 読了:03/28

2005年3月27日 (日)

Bookcover 子どもの危機をどう見るか (岩波新書) [a]
尾木 直樹 / 岩波書店 / 2000-08-18
この著者は2冊目なので,ざっと目を通しただけ。
小一プロブレムに代表される教育の危機は,子どもと親の変化に学校が対応できないことに原因があり,一斉主義や内申書重視は害しかもたらさない。必要なのは(1)民主主義的教育理念の導入(チャータースクールとか),(2)総合学習の活用(基礎学習にも有効である由。ふうん),(3)学級王国の解体である。さらに子育ての社会化とかそういう感じのものも大事である,云々。
分析してるぶんには説得力があるのに,対策編になるととたんに絵空事っぽくなるのはなんでだろう(俺が旧来の学校イデオロギーに犯されているからかね)。よくわからんが,学級王国の解体を目指して縦割り行事や「楽しい授業」に励んでいると,陰山英男や和田秀樹の本を読んだお母さんたちの吊し上げを喰うほうに一万点。そのへんは2000年と現在のあいだで温度差があるかもしれない(考えてみると,ここんところの基礎学力ブームのほうが,むしろ一過性なのかもしれないな)。ともあれ,先生ってタイヘンデスネ。

心理・教育 - 読了:03/27

2005年3月26日 (土)

Bookcover もっけ(4) (アフタヌーンKC) [a]
熊倉 隆敏 / 講談社 / 2005-03-23

Bookcover 毎日かあさん2 お入学編 [a]
西原 理恵子 / 毎日新聞社 / 2005-03-26

コミックス(-2010) - 読了:03/26 (C)

Bookcover 昭和戦後史の死角 (朝日文庫) [a]
保阪 正康 / 朝日新聞社 / 2005-02
先週からぱらぱらめくっていた本。だいたい読んだと思うので,読了にしちゃおう。

日本近現代史 - 読了:03/26 (CH)

2005年3月24日 (木)

Bookcover ドキュメント ダイエー落城 [a]
日本経済新聞社 / 日本経済新聞社 / 2004-12-07
頼む,順を追って説明してくれえ。

Bookcover それがどうした―静と理恵子の血みどろ絵日誌 (角川文庫) [a]
伊集院 静,西原 理恵子 / 角川書店 / 2005-03-25
晩飯に大戸屋へ出かけたついでに買って一気読み。ギャンブルのことは皆目わからんので,読むところがない。

ノンフィクション(-2010) - 読了:03/24

2005年3月23日 (水)

Bookcover ドキュメンタリーは嘘をつく [a]
森 達也 / 草思社 / 2005-03
昼間から布団に潜り込んで一気読み。もうできなくなるのね,こういうことも。。。

ノンフィクション(-2010) - 読了:03/23

2005年3月22日 (火)

Bookcover 怪しいお仕事!―儲けたいなら、頭を使え。 (新潮OH!文庫) [a]
北尾 トロ / 新潮社 / 2001-07
銀行に行ったついでに書原で買い,南大沢ドトールで一気読みした。
いちばん感心したのは,競馬予想会社のノウハウのくだり。(1)架空口座を準備した上でDMを出す。封筒・紙質・文面に細心の注意を払い,「拝啓,突然お手紙をお送りし云々...。JRAの馬主中心的体質に愛想を尽かしました。個人的にデキレースを告発したいのですが,別業種で仕事をはじめるための資金が欲しい。3万円でお教えします」この金額は割安感があるんだそうで,最初は400通打って50人客がついたそうだ。(2)で,ここが面白いのだが,客を4分割し,各群に異なる買い目を教える。(3)4つもあればひとつは当たる。当たった群の客はすっかり信じ込み,次のレースの情報には10万でも出す由。へええ。

ノンフィクション(-2010) - 読了:03/22

2005年3月21日 (月)

Bookcover 学力低下論争 (ちくま新書) [a]
市川 伸一 / 筑摩書房 / 2002-08
この3日間の朝の電車で読了(なんだか再読のような気がするんだけどなあ)。
2000年前後の学力低下論争の総括。前半は主要論者の位置づけと論争の要約。後半は著者の主張の紹介。学習の意義は可能自己の拡大にある,総合学習と教科学習の連携が大事だ,云々。
社会階層をめぐる論点は薄い,というかほとんど他人事だ。社会からの学習圧力が高くなれば格差は縮小する,というのはまあそうかもしれないが,階層の固定化は解消しないんじゃないですかね。
研究者としては尊敬してるけど,文教政策決定への関与という点ではちょっと御用学者っぽいなあという印象があった。著者自身もそのことに触れていきさつを説明しており,わかりやすくて正直なところがありがたいが,教育政策と社会思想との関連づけが欠けているところに,心理学畑固有の限界があるのではないかと思う。なあんてね,ははは。
それにしても,教育本にはいいかげんに飽きてきたぞ。。。

心理・教育 - 読了:03/21 (P)

Bookcover 新吼えろペン 1 (サンデーGXコミックス) [a]
島本 和彦 / 小学館 / 2005-03

コミックス(-2010) - 読了:03/21 (C)

2005年3月20日 (日)

Bookcover みんな土方で生きてきました [a]
日野 勝美 / 新風舎 / 2005-02
疲れて眠れず,仕方なくめくっていて読了。土木作業がこんなに細分化されているとは知らなんだ。

Bookcover オブジェクト指向でなぜつくるのか―知っておきたいプログラミング、UML、設計の基礎知識― [a]
平澤 章 / 日経BP社 / 2004-06-03
これはしばらく前に読んだ。OOPの説明に比喩が乱用されている,という指摘が大層面白かった。

ノンフィクション(-2010) - 読了:03/19

2005年3月18日 (金)

Bookcover ダーリンの頭ン中 英語と語学 [a]
小栗 左多里,トニー・ラズロ / メディアファクトリー / 2005-03-04

Bookcover 昭和の男(2)<完> (モーニング KC) [a]
入江 喜和 / 講談社 / 2005-02-23

コミックス(-2010) - 読了:03/18 (C)

Bookcover 「学力低下」をどうみるか (NHKブックス) [a]
尾木 直樹 / 日本放送出版協会 / 2002-11
新学力観のおかげで現場は混乱したけど,「ゆとり」「生きる力」路線自体は正しいし,PISA調査の結果も悪くないし,そうころころと路線変更されたらたまらない。大事なのは絶対評価を確立し総合学習を充実させることだ,という主旨。
中学生や東大生に作文させても,詰め込み教育への批判と学びの楽しさが語られているのです,というわけで,気に入った作文を延々と引用するあたり,誠にほほえましい。純粋な先生がガキの手玉に取られているのが目に浮かぶ。我々は教師の意に添った台詞を吐くトレーニングを積み重ねているのであって,仮に和田秀樹が先生だったら,そのときは詰め込み万歳という趣旨の作文を提出するだろう。

心理・教育 - 読了:03/18 (P)

2005年3月17日 (木)

Bookcover オレ様化する子どもたち (中公新書ラクレ) [a]
諏訪 哲二 / 中央公論新社 / 2005-03
現場発信型の社会時評本(当たりはずれが大きいジャンルだ)。子どもはすでに他者となり教育システムは危機に瀕しているが,それは消費社会の到来のせいであって学校のせいではない。でもグローバリズムを批判しても詮無いことなので,教育に共同体性を取り戻し社会化を重視すべきだ,という主旨。
話は筋道立っていて明快だし,豊かな経験の裏打ちもあり,言葉遣いはちょっと独特だけど,その意見は傾聴に値する,ところがいったん他人と議論する段になると,なぜか全く話がかみ合わず,周囲を途方に暮れさせる。時々そういうタイプの人がいるものだが,この本もその一種であった。前半はまあ筋が通っているのだが,後半の知識人批判になると,アクロバティックなまでに論点をことごとく外しまくる,その様子はほとんど芸術的でさえある。

心理・教育 - 読了:03/16

2005年3月15日 (火)

Bookcover 魁!!クロマティ高校(12) (講談社コミックス) [a]
野中 英次 / 講談社 / 2005-02-17

コミックス(-2010) - 読了:03/15 (C)

Bookcover 淋しきカリスマ堤義明 [a]
立石 泰則 / 講談社 / 2005-01
会計の話になると,もうさっぱりついて行けない。こんなことでこれからやっていけるのかしらん。

ノンフィクション(-2010) - 読了:03/15 (NF)

2005年3月14日 (月)

Bookcover ベネッセが見た教育と学力 [a]
/ 日経BP社 / 2003-12-05
要するにベネッセの宣伝本なのだが,ちょっと興味深いところもあった。

心理・教育 - 読了:03/14まで (P)

Bookcover 失踪日記 [a]
吾妻 ひでお / イースト・プレス / 2005-03-01
面白いんだけど,ホームレス生活やアルコール依存症治療の手記を,こうやって楽しんでしまっていいんだろうか,とちょっと後ろめたい気分になる。

Bookcover 人斬り (レジェンドコミックシリーズ―平田弘史作品 (4)) [a]
平田 弘史 / マガジン・ファイブ / 2004-11-15

Bookcover 平田弘史のお父さん物語 [a]
平田 弘史 / 青林工芸舎 / 2005-01
残念だけど,これはちょっと読むに耐えなかった。うーん。

Bookcover EDEN(12) (アフタヌーンKC) [a]
遠藤 浩輝 / 講談社 / 2005-02-23

コミックス(-2010) - 読了:03/14まで (C)

Bookcover トラウマの国 [a]
高橋 秀実 / 新潮社 / 2005-02-15
絶対に面白い!と虫が知らせて,急いで手に入れた本。果たしてとても面白かったけれども,表題作は表層的なスケッチに終わっていて,ちょっぴり肩すかし,という感じだった。

Bookcover 超激辛爆笑鼎談・「出版」に未来はあるか?―中央公論買収の裏側、三一書房ロックアウトの真相 [a]
井家上 隆幸,安原 顕,永江 朗 / 編書房 / 1999-06
中公の身売りと三一争議を中心にした,出版界裏話。品がないなあ,などとつぶやきながら,楽しく読了。安原顕という人は,さぞや敵が多い人であったことだろう。

Bookcover オーケストラの職人たち (文春文庫) [a]
岩城 宏之 / 文藝春秋 / 2005-02
それはそれで面白いんだけど,昔のエッセイと比べると,年を取ったなあ,と感じる。

ノンフィクション(-2010) - 読了:03/14まで (NF)

Bookcover 聞き書 宮沢喜一回顧録 [a]
/ 岩波書店 / 2005-03-04
それなりに面白く読んだのだが,なにぶん知識不足で,わからない話が多いところがもどかしい。

日本近現代史 - 読了:03/14まで (CH)

Bookcover “快楽消費”する社会―消費者が求めているものはなにか (中公新書) [a]
堀内 圭子 / 中央公論新社 / 2004-05
なんだかなあ。。。

マーケティング - 読了:03/14まで (M)

Bookcover レッド・ライト(上) [a]
パーカー.T.J / 講談社 / 2005-02-10
Bookcover レッド・ライト(下) [a]
パーカー.T.J / 講談社 / 2005-02-10
「ブルー・アワー」と比べると,少し落ちる。

フィクション - 読了:03/14まで (F)

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