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2011年9月25日 (日)
気まぐれ少女と家出イヌ
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ダニエル ペナック / 白水社 / 2008-12-17
犬を視点にした児童向け小説。なんだかありがちな感じだが,これが意外な大ヒットであった。皮肉が効いてて,とても面白い!
スペクタクルの社会 (ちくま学芸文庫)
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ギー ドゥボール / 筑摩書房 / 2003-01
スペクタクルの社会についての注解 (エートル叢書)
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ギー ドゥボール / 現代思潮新社 / 2000-06
「スペクタクル化社会」概念で知られるドゥボールの主著。ドゥボールは映画作家・評論家で,68年の五月革命の頃に活躍した人らしい。日本だとどういうポジションなのかしらん... 吉本隆明と大島渚を足して過激にしたような感じだろうか。
著者いわく,反革命勢力に全てを知られぬようあえてわかりにくい書き方をしているのだそうで,確かにものすごくわかりにくい。「スペクタクル化」の正確な定義を求めた私が馬鹿であった。
というわけで,内容の半分も理解できていないのだが,目からウロコが落ちるような部分もあった。ような気がする。
「スペクタクルの豊かさのなかでの偽の選択,つまり,排他的であると同時に相互に入り組んださまざまな役割[...]の羅列のように,互いに競合するとともに強く結びついたさまざまなスペクタクルの羅列のなかでの選択は,量的に少ないものに人々を熱狂的に執着させる目的で作られた幻想的な質と争いながら発展する。こうして,消費の序列における地位の低さを空想上の存在論的優越性に変形する務めを負った時代遅れの偽の対立や地域主義,人種主義が再生してくるのである。また,こうして,スポーツ競技から選挙に至るまで,亜流の遊びの利害を総動員した,延々と続く下らぬ衝突が再構成されるのである。豊かな消費のはじまったところでは,若者と大人の間のスペクタクル的な主要対立がさまざまな偽りの役割の前面に浮かび上がる。なぜなら,人生の師たる大人などというものはどこにも存在せず,既存のものの変革を意味する若さも,いま若い者の特性ではないからだ。若さとは,経済システムの特性であり,資本主義のダイナミズムなのである。支配するのはモノであり,若いのもモノである。モノこそが追い求められ,次々と自己を取り替えていくのである。(「スペクタクルの社会」62節)
スペクタクル的な対立の下に隠されているのは貧困の統一性である。[...] スペクタクルとは,不幸の揺るがぬ中心にあって悲嘆と不安に取り囲まれた幸福な統合のイメージにほかならない。(「スペクタクルの社会」63節)
哲学・思想(2011-) - 読了:「スペクタクルの社会」「スペクタクルの社会についての注解」
先日からかかりきりの専門書があって(Millsapの測定不変性についての本),なかなか他の本を読めない。たまに読む本は,その反動で,絶対に統計学が出てこない本ばかり。
血族の王―松下幸之助とナショナルの世紀
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岩瀬 達哉 / 新潮社 / 2011-07
松下幸之助の非公式評伝。晩年は頑迷固陋になっておられた由。
ウォール・ストリート・ジャーナル陥落の内幕
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サラ・エリソン / プレジデント社 / 2011-05-17
WSJがマードック傘下にはいるまでのドタバタが3/4,傘下に入ってからのWSJの変貌が1/4,という内容。著者はもとWSJの人で,在籍中から取材していたらしい。株主であったバンクロフト一族の描写の辛辣さといったら...
北アフリカ・イスラーム主義運動の歴史
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私市正年 / 白水社 / 2004-11-25
数年前に,アルジェリアの内戦について知りたくて買ったのだが,読み進めてもマグレブ地域のイスラム教の歴史の話ばかりで,なかなか本題にたどり着かないので挫折してしまった本。今回たまたま手に取って目次をよく見たら,もう少しだけ我慢すればちゃんと近代にたどり着くことがわかり,最初から読み直した。
アルジェリアは過激なイスラム主義の国になってしまうのではないかと西欧の人々は恐れ,その恐怖から92年の軍事クーデターを支持したわけだが,その後悲惨な内戦を経て,結局イスラム主義運動は挫折する。その要因は,著者によれば,(1)イスラム国家の建設を急ぎすぎたこと,(2)権力の弾圧に対して暴力闘争に走ったこと,そしてなにより(3)内部対立,だそうだ。もしクーデターが失敗しイスラム主義勢力が合法なままだったら,どうなっていたのだろうか...
戦国水軍の興亡 (平凡社新書)
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宇田川 武久 / 平凡社 / 2002-10
この本も,途中で挫折していた本。整理がつかないので,斜め読みではあるがとにかく最初から通読した。
村上水軍を中心にした本かと思いきや。最終章の主役は朝鮮水軍の悲劇の英雄・李舜臣という人で,この章はとても面白かった。
寺社勢力―もう一つの中世社会 (岩波新書 黄版 117)
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黒田 俊雄 / 岩波書店 / 1980-04-21
前からタイトルが気になっていた本。案の定,面白かった。
ノンフィクション(2011-) - 読了:「北アフリカ・イスラーム主義運動の歴史」「ウォール・ストリート・ジャーナル陥落の内幕」「寺社勢力」「戦国水軍の興亡」
本漫画
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和田 誠 / 毎日新聞社 / 2009-01-24
先日みにいった和田誠さんの展覧会で買った本。本を題材にした一コママンガ。とても洒落ていて,めくっているだけでちょっと幸せな気分になる。
きのう何食べた?(5) (モーニング KC)
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よしなが ふみ / 講談社 / 2011-09-23
ゲイの日常を等身大で描いている面白さとか,そういう委細はさておき,とにかく調理場面を眺めているだけで暴力的に腹が減る。
25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)
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市川 春子 / 講談社 / 2011-09-23
著者は最近売り出し中のアーティスティックなマンガ家で,人が無機的な物質に変容するという題材を執拗に描き続けている人。この作品集もなかなか面白い。
つるた部長はいつも寝不足3 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
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須河篤志 / メディアファクトリー / 2011-08-23
行動は奥手だが頭の中はセクシャルな妄想でいっぱい,という可愛い女子高生を主人公にしたマンガ,これが最終巻。ちょっと打ち切り的な雰囲気だ。
脇役を立てて青春群像劇になったあたりから,あまりに展開がベタすぎて,ちょっと流し読みになってしまった。とても面白い設定だったのに。
はたらけ、ケンタウロス! (ゼロコミックス)
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えすとえむ / リブレ出版 / 2011-04-09
先日読んだ奇妙なマンガ「うどんの女」の作者の本。これ,同じ絵柄・同じ設定の読み切りをどこかで読んだことがある。思い出せないのだけど,webで公開していたのではなかろうか。
グーグーだって猫である6
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大島 弓子 / 角川書店(角川グループパブリッシング) / 2011-09-23
映画にもなったネコ・エッセイマンガ,最終巻。最後のほうは,共感するというより,町のいわゆる「ネコおばさん」がなにを考えておるのかをのぞき見るような気分であった。
見かけの二重星 (KCデラックス Kiss)
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つばな / 講談社 / 2011-09-13
残念,これは面白さがわからなかった...
ハチワンダイバー 21 (ヤングジャンプコミックス)
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柴田 ヨクサル / 集英社 / 2011-09-16
ハチワンダイバー 22 (ヤングジャンプコミックス)
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柴田 ヨクサル / 集英社 / 2011-09-16
世界の果てでも漫画描き 2 エジプト・シリア編 (創美社コミックス)
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ヤマザキ マリ / 創美社 / 2011-09-15
コミックス(2011-) - 読了:「本漫画」「きのう何食べた?」「25時のバカンス」「グーグーだって猫である 」「見かけの二重星」「世界の果てでも漫画描き」「つるた部長はいつも寝不足」「はたらけケンタウロス」「ハチワンダイバー」
2011年9月13日 (火)
身体醜形障害 なぜ美醜にとらわれてしまうのか (こころライブラリー)
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鍋田 恭孝 / 講談社 / 2011-08-26
東京見物
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和田 誠 / 講談社 / 2009-12-18
昭和12年・大日本雄弁会講談社刊の絵本「東京見物」の復刻と,2009年,それをなぞるようにして和田誠さんが一人で描いた絵本「東京見物」との合本。昌平橋から西を見た風景がそっくりなのに驚いた。
フランス・レジスタンス史 (文庫クセジュ)
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J.=F. ミュラシオル / 白水社 / 2008-07
ふと訳もなく読みたくなって買った本。クセジュ文庫にしては読みやすかった。
占領下フランスについての知識はせいぜい「カサブランカ」や「海の沈黙」止まりなもので,ちっとも知らなかったのだが,独軍の占領当初,ヴィシー政府のペタン将軍は国民的支持を得ていたのだそうだ。へええ。
経済成長は不可能なのか - 少子化と財政難を克服する条件 (中公新書)
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盛山 和夫 / 中央公論新社 / 2011-06-24
「心」と「国策」の内幕 (ちくま文庫)
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斎藤 貴男 / 筑摩書房 / 2011-09-07
ノンフィクション(2011-) - 読了:「東京見物」「フランス・レジスタンス史」「経済成長は不可避なのか」「「心」と「国家」の内幕」
旅する缶コーヒー (マンサンコミックス)
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マキ ヒロチ / 実業之日本社 / 2011-07-29
缶コーヒーをモチーフに,都会のふとした情景を描いたオムニバス作品。掲載誌は週刊漫画サンデー。なんと,「静かなるドン」が看板のあのオッサン向け大衆誌に,再びこんなのが載る日が来ようとは... いろいろ悪戦苦闘しているのであろう。
よく似たコンセプトの豊田徹也「珈琲時間」と比べると,完成度の点でさすがに比較にならないのだが,これはこれで悪くないと思った。缶コーヒーメーカーとのタイアップ企画かと思ったのだが,どうやらそうでもないようで,出てくるブランドは気をつかって一話一話変えている。ええと,登場順に,日本コカコーラ社のジョージア・エメラルドマウンテンブレンド,伊藤園のWコーヒーブラック(結局買い損ねて「おーいお茶」を飲む羽目になるが),サントリーのBOSSブラック,伊藤園のTully's Coffee Barista's Choice Black (ボトル缶),ブランド不明(夫が隠れて飲んでいるため),UCCミルクコーヒー,ポッカコーヒーオリジナル,キリンFIRE Black, ブランド不明(結局買えずじまい),ダイドーブレンドコーヒー,最終話ではその他のブランドも含め総登場... でした。
路地恋花(2) (アフタヌーンKC)
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麻生 みこと / 講談社 / 2010-09-07
路地恋花(3) (アフタヌーンKC)
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麻生 みこと / 講談社 / 2011-09-07
著者は白泉社出身の人らしい。こういう登場人物がみな容貌に秀でた若者たちでないと成立しない雰囲気のマンガは,あまり好きにはなれないのだが... 巧いことは確かである。
三巻の靴職人の娘の話が良いと思った。この主人公が28歳のスッとした美女ではなく,たとえば修行に明け暮れて婚期を完全に逸してしまったちょっと陰気な女だったりすると,これはもう絶対面白い!と思うんだけどなあ。
地上はポケットの中の庭 (KCx(ITAN))
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田中 相 / 講談社 / 2011-07-07
日常に題材をとった,よくあるタイプのファンタジックな短編集なのだが,これが意外な拾いものであった。話としての好き嫌いは別にして,絵柄に妙な力がある。これが初の単行本らしい。講談社の新人発掘用アンソロジーに載った模様。
うどんの女 (Feelコミックス)
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えすとえむ / 祥伝社 / 2011-09-08
また妙なマンガを買ってしまった... と半ば呆れながら読了。美大生の男の子と,妙に色気のある学食のおばちゃんとの恋。二人とも内気なもので,なかなか話が進展しないのだが,女のほうは,いつもうどんを注文するあの青年の汚れたつなぎを脱がせて裸にして...という妄想に密かに顔を赤らめ(昼の学食で),青年のほうは,うどんをモチーフにしたエロティックな絵を描くのである。
インドな日々 4 (あさひコミックス)
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流水 りんこ / 朝日新聞出版 / 2011-09-07
目を疑ったが,6年前に出たシリーズ第三巻の続刊が出た。その後もアジア旅行エッセイをぽつぽつと発表していた由。
インド夫婦茶碗 (16) (ぶんか社コミックス)
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流水 りんこ / ぶんか社 / 2011-09-05
こちらはいつもの日常エッセイ。ここまでつきあってしまうと,もう面白かろうがつまらなかろうが,買わざるを得ない感じですね。
ミュジコフィリア(1) (アクションコミックス)
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さそう あきら / 双葉社 / 2011-07-28
コミックス(2011-) - 読了:「旅する缶コーヒー」「地上はポケットの中の庭」「うどんの女」「路地恋花」「インドな日々」「インド夫婦茶碗」「ミュジコフィリア」
たいして仕事もしていないのに,なぜか時間がなく,本もなかなか読めない。よほど時間のやりくりが下手なのか,ぼおっとしている時間が長すぎるのか。
先週までに読んだマンガ。
清々と 2 (ヤングキングコミックス)
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谷川 史子 / 少年画報社 / 2011-08-29
少女マンガの名匠が少年誌にいけしゃあしゃあと連載する,お嬢様女子高を舞台にしたハートウォーミング・ストーリー。少女たちは全員心優しく,全員超清純,もちろん全員髪は真っ黒,男の方とお話するだけでもう胸がときめいてしまいます,という。。。この確信犯的ファンタジー・ワールドをみよ。いったい谷川先生は日本の青少年をどこに連れて行こうとしているのか?
闇金ウシジマくん 22 (ビッグコミックス)
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真鍋 昌平 / 小学館 / 2011-08-30
ホストにいれあげた孤独な家出娘が心身共にボロボロになって死んでいく話。不思議と既視感があるのだけれど,なぜだろう。視点人物のホストはその過去を悔やむことで,ちょっと救済を得ているふしがあって,この死ぬほど後味の悪い作品においてはちょっと珍しいエピソードであった。
それでも町は廻っている 9 (ヤングキングコミックス)
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石黒 正数 / 少年画報社 / 2011-08-31
Sunny 第1集 (IKKI COMIX)
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松本 大洋 / 小学館 / 2011-08-30
現代を代表する作家主義的マンガ家の新作。まだちょっとよくわからない感じ。
京都観光生活
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ハンジ リョオ / 140B / 2011-07-13
コミックス(2011-) - 読了:「京都観光生活」「Sunny」「ウシジマくん」「清々と」「それでも町は回っている」
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