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2017年8月27日 (日)

Gambrel, P.A., Cianci, R. (2003) Maslow's Hierarchy of Needs: Does it apply in a collectivist culture. The Journal of Applied Management and Entrepreneurship, 8(2), 143-161
 タイトルの通り、マズローの欲求階層説を集団主義的文化に適用できるか、という話。ちょっと思うところあって手に取った。正直、世に溢れるマズロー的与太話にはあまり付き合いたくないんだけど(すいません)、ほんとに世に溢れているんだから仕方がない、と思って。
 掲載誌についても著者についてもよくわからない(掲載誌は国内所蔵館なし、もしかすると紀要のようなものかもしれない。著者らは博士課程在籍中)。

 いわく。
 動機づけの理論は内容理論とプロセス理論に大別される。前者は行動をひきおこす要因に注目し、後者は行動が引き起こされるありかたに注目する。前者の代表例が、マズローの欲求階層説、ハーツバーグの二要因理論、マクレランドの三要因理論である。これらの研究はアメリカ生まれ、被験者もアメリカ人である。
 欲求階層説の多文化研究としてすでにHofstede(1983, J.Int.BusinessStud.)がある。Hofstedeの個人主義-集団主義の次元は動機づけの理論と直接に関連している。
 本研究ではマズローの欲求階層説が集団主義文化に適用できるかどうか調べます。

 ... 途中で気が付いたのだが、これ、HofstedeとかSchwartzとかの論文を読んでまとめましたというものであった。タイトルにマズローの名を挙げつつもマズローを一本も引用しておらず、すべて孫引き。あっちゃー...
 というわけで、読んでないけど読了にしてしまおう。えーと、欲求階層説は中国にはあてはまらないんじゃないでしょうか、というようなお話である模様。

論文:心理 - 読了:Gambrel & Cianci (2003) マズローの欲求階層説は中国人にあてはまるのかどうか、文化差の先行研究を集めて読んで考えてみました

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