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2008年11月21日 (金)

Fornell, C. (1994) "Partial Least Squares" in Bagozzi, R.(ed.) "Advanced Methods of Marketing Research." Wiley.
 仕事でPLSモデリングについて急遽理論武装する必要が生じ,上司様の蔵書を引っ張り出して目を通した。前に同じような都合でChinによる解説を読んだことがあるのだが,あれよりもわかりやすいような気がする。
 共分散構造分析の解説書はいまや汗牛充棟という様子だが,PLSモデリングについての日本語の解説をまだみたことがない(PLS回帰を分析化学の手法として解説しているものは多いけど)。なぜだろうか? 間違いなくニーズがあると思うのに。
ふつうのSEMを見慣れた目からすると,PLSによるSEMは謎めいた手法で,びっくりするくらい小さな標本サイズで推定できてしまうし,分布についての仮定がないし(多変量正規性から離れてもロバストだという話ではなく,そもそも仮定がないのだ),適合度に相当する概念がないし...不思議だけど,実用性が高いし,すごく面白い。

ほかに何本かデータ解析方面の論文を読んだような気がするが,思い出せない。うーん,よくないなあ。

論文:データ解析(-2014) - 読了:11/21まで (A)

Bookcover 岳 4 (ビッグコミックス) [a]
石塚 真一 / 小学館 / 2007-04-27
Bookcover 岳 5 (ビッグコミックス) [a]
石塚 真一 / 小学館 / 2007-09-28
Bookcover 岳 6 (ビッグコミックス) [a]
石塚 真一 / 小学館 / 2008-01-30
Bookcover 岳 7 (ビッグコミックス) [a]
石塚 真一 / 小学館 / 2008-06-30

Bookcover ハチワンダイバー 9 (ヤングジャンプコミックス) [a]
柴田 ヨクサル / 集英社 / 2008-11-19

こんな記録をつけている場合ではないのだが...この現実逃避癖をなんとかしないといけないのだが...

コミックス(-2010) - 読了:11/21まで (C)

2008年11月16日 (日)

Bookcover かもめ・ワーニャ伯父さん (新潮文庫) [a]
チェーホフ / 新潮社 / 1967-09-27
「ワーニャ伯父さん」にはやられた。胸打たれる思いとはこのことである。参りました。
感心してばかりでもしかたがないので,あれこれ考えるのだが,時代背景がわからないせいで,細部がいまいち理解できていない。たとえば,ワーニャ伯父さんが妹の旦那に仕送りを続けていたのはなぜなんだろうか。恥ずかしながら,よくわからん。訳を変えてもう一度読んでみようと思う(いかに名訳とはいえ,言い回しが古くてついていけないところがあった)。

 戯曲なので,登場人物を想像上の舞台の上でいちいち動かしながら読むわけだが,ワーニャ伯父さんとしてはなぜか故・藤山寛美を思い浮かべてしまい,なかなか他のイメージを持つことができない。たしか演出家の佐藤信が,藤山寛美にワーニャ伯父さんを演らせたかったという意味のことをどこかで云っていた,それが記憶に残っているからだと思う。どうも変なことを覚えているものだ。

フィクション - 読了:11/16まで (F)

Bookcover 赤めだか [a]
立川 談春 / 扶桑社 / 2008-04-11
 なるほど,これは評判になるわけだ。 あまり好みの内容ではないのだけれど(誰かに惚れ込んでいる人の文章は,読んでいて少し面倒になってきてしまう),面白く読み終えた。文章が良いのだろう。

Bookcover イケダ先生の世界 (宝島SUGOI文庫 A へ 2-1) [a]
ベンジャミン・フルフォード / 宝島社 / 2008-10-18
著者は確か,阪神大震災は某国の地震兵器のせいで起きた云々と主張しておられる方で,素直に読んでいいものかどうかわからないのだが。。。
 ポリー・トインビーというイギリスのジャーナリストがいるが(邦訳もある),この人はかの大学者トインビーの孫なのだそうで,日本に招かれ池田先生と対談した際の珍道中を辛辣な手記にまとめている由。へえー。
 創価学会の方々には特に良い印象も悪い印象もないのだけれど,池田さんが亡くなったらどうするんだろう,と人ごとながら心配になる。

Bookcover 民主党―野望と野合のメカニズム (新潮新書) [a]
伊藤 惇夫 / 新潮社 / 2008-11
著者は民主党の事務局長だった人。2001年元旦,著者が神社に初詣して願ったことはただ一つ,「夏の参院選まで森政権が続いてくれますように」だったのだそうだ(なぜなら,森政権になら勝てるから)。ははは。

Bookcover ココロミくん〈3〉 [a]
べつやく れい / アスペクト / 2008-10
デイリーポータルZでの連載をまとめたもの。連載時に全部読んでいるのだけれど,やっぱり面白い...

Bookcover ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの) [a]
吉田 重人,岡ノ谷 一夫 / 岩波書店 / 2008-11-06
べつやくれいさんのイラスト目当てで衝動買いし,あとでよく見たら,著者は小鳥の研究で有名な認知科学の先生であった。びくびくしながらめくったが,幸い内容の多くはハダカデバネズミの生態や飼育の苦労談に割かれており,研究の話はあまり出てこなかったので,楽しく読み終えた。

Bookcover 朝鮮総連―その虚像と実像 (中公新書ラクレ) [a]
朴 斗鎮 / 中央公論新社 / 2008-11

Bookcover 創造するリベラル (シリーズ 時代を考える) [a]
姜 尚中,加藤 紘一 / 新泉社 / 2008-10-31

Bookcover 今日、ホームレスになった―15人のサラリーマン転落人生 [a]
増田 明利 / 彩図社 / 2008-08-20

ノンフィクション(-2010) - 読了:11/16まで (NF)

Bookcover 岳 (1) (ビッグコミックス) [a]
石塚 真一 / 小学館 / 2005-04-26
Bookcover 岳 (2) (ビッグコミックス) [a]
石塚 真一 / 小学館 / 2006-09-29
Bookcover 岳 (3) (ビッグコミックス) [a]
石塚 真一 / 小学館 / 2006-12-26
小学館コミック誌の旗艦・ビッグコミックオリジナルで,いま一番面白いマンガ。すでに巻数が多いので躊躇していたのだが,手をだしてしまった。読ませるなあ...

Bookcover 風俗嬢Aの憂鬱 [a]
山田 可南 / 飛鳥新社 / 2008-10-04
風俗嬢らを主人公にした短編連作に,松沢呉一がひとつひとつ解説をつけるというフシギな構成の本。アタシはラブホテルの清掃係,一部屋片づけるたびに体がほてってしかたがないのん。。。というどうでもいいようなマンガに,そんなヒマな従業員はいません,という冷静な解説がついていたりして,なんだか可笑しい。

Bookcover カブのイサキ(1) (アフタヌーンKC) [a]
芦奈野 ひとし / 講談社 / 2008-10-23

Bookcover ヒメアノ~ル(1) (ヤンマガKCスペシャル) [a]
古谷 実 / 講談社 / 2008-11-06

Bookcover GUNSLINGER GIRL 10 (電撃コミックス) [a]
相田 裕 / アスキー・メディアワークス / 2008-10-27

コミックス(-2010) - 読了:11/16まで (C)

2008年11月 3日 (月)

Bookcover 格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略 [a]
ポール クルーグマン / 早川書房 / 2008-06
新聞のコラムで有名なえらい人,クルーグマン先生2007年の著書。買ったきり積んでおくうちに,著者はノーベル賞を取ってしまわれました。
 社会格差の増大は,グローバル化や情報技術のせいではなく,共和党の悪しき「保守派ムーブメント」のせいであって,彼らはアメリカにいまだのこる人種差別のメンタリティを悪用してきたのだ,という内容。

Bookcover 上海にて (集英社文庫) [a]
堀田 善衞 / 集英社 / 2008-10-17
堀田善衛は45年3月に上海に渡り,敗戦とともに国民党に徴用され,46年12月に帰国する(このとき28歳)。この本は57年,作家となった著者が中野重治や井上靖とともに訪中した際の紀行文だが,内容のほとんどは上海時代の随想にあてられている。

ノンフィクション(-2010) - 読了:11/03まで (NF)

イヨネスコ戯曲全集 3, 白水社,1969.
図書館で借りて読んだ。「アルマ即興」「無給の殺し屋」「四人ばやし」「二人で狂う」「瀕死の王さま」所収。
大昔にNHKラジオで聞いた,そのまた大昔のラジオドラマの再放送で,夫婦らしき二人が銃火のさなか,崩れゆくアパートできわめて不毛な口論を続ける,という筋立てのドラマがあった。たしか日本の前衛劇作家の作品だったのだけど,いまにして思えば,あれはイヨネスコの「二人で狂う」を下敷きにしていたのかもしれない。いま知っても仕方のないことだが,あのドラマの作者は誰だったのだろう?

→いま調べたら,NHKは73年に「二人で狂う」そのものを,名古屋章の主演でラジオドラマ化しているらしいから,その再放送だったのかも。そういえば,名古屋章だったような気も...記憶はあてにならない。

フィクション - 読了:11/03まで (F)

Bookcover 学力問題のウソ [a]
小笠原 喜康 / PHP研究所 / 2008-09-13
ゆとり派も基礎学力派も知識を外在的に捉えている点で誤っている由。じゃあどういう話になるのかと思ったら,状況論っていうんですか,そういう方向の落ちであった。ふうん。
 毎回思うのだけれど,教育の話って議論が入り組みすぎていて,さっぱりわからない。この本は学習指導要領の大綱化を提唱しているが,新学力観の下で指導要領はもうとっくに大綱化していて,その象徴として総合的な学習があったんじゃなかったっけ?
 というわけで,この本の内容をどう評価したらいいのかわからないのだが(わかるだけの能力もないが),教育というのは正統的周辺参加だから子どもの社会参加の機会を増やせ...という話の展開はドウヨ,と思った。教育を正統的周辺参加として捉え直すことができる,という話と,教育は実践共同体への参加であるべきだ,という話とは性質がちがうだろう。
 まあ,新書だから意を尽くせていないのかもしれない。それに,実践家の理屈は往々にしてわかりにくいものだ。著者は博物館教育の研究をしているそうだから,そっちの本を読んだほうがいいのかもしれない。

心理・教育 - 読了:11/03まで (P)

Bookcover 日本の百年〈9〉廃墟の中から―1945~1952 (ちくま学芸文庫) [a]
鶴見 俊輔 / 筑摩書房 / 2008-06-10
61年刊の戦後史シリーズ,その9巻目。終戦直後の世相を記録した内容。エピソードがどうしても東京に偏ってしまうのは,致し方のないことなのだろう。
 8月15日,民間の尊皇主義団体が内大臣木戸幸一の宿泊先を襲撃し警官を斬り(木戸は宮中にいて無事だった),その後愛宕山に立てこもり7日間に渡り籠城,最後は手榴弾で自爆するという事件があったのだそうだ。愛宕神社は勤め先の近所で,ときどき散歩にいくのだが,そんな事があったとは知らなかった。
 玉音放送を聞いても全軍が武器を置いたわけではなく,特に厚木航空隊は強硬な抗戦派で,だから愛宕山の籠城の折りにも飛行機が飛んできて,取り囲む警官隊に徹底抗戦を訴えるビラを撒いた由。パイプをくわえたマッカーサーがタラップを降りてくるあの有名なシーンは厚木基地でのものだが,占領軍が第一陣の到着地をこともあろうに厚木に指定してきたもので,日本側としては「厚木基地ではいま反乱が起きているから他の場所に変えてください」ともいえず,おかげで鎮圧に大変な苦労をしたそうだ。うーん,よくあるよなあ,そういうことって。

日本近現代史 - 読了:11/03まで (CH)

Bookcover 不思議な少年(7) (モーニング KC) [a]
山下 和美 / 講談社 / 2008-10-23
ふだん本は読むけどマンガは読まないという大人に,マンガを一冊だけ薦めるとしたら,このシリーズが良いと思う。この最新刊は,その中でも特に素晴らしい。

Bookcover 僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング) [a]
福満 しげゆき / 講談社 / 2008-10-23

Bookcover 大東京トイボックス(3) (バーズコミックス) [a]
うめ / 幻冬舎 / 2008-10-24

Bookcover さよなら絶望先生(15) (講談社コミックス) [a]
久米田 康治 / 講談社 / 2008-10-17

Bookcover あたしンち 14巻 [a]
けら えいこ / メディアファクトリー / 2008-10-29

コミックス(-2010) - 読了:11/03まで (C)

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